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オレンジはビターチョコへ沈む ページ14

『またね〜』

あの後紅茶を振舞って貰い、雑談をしていた。
現実世界より有意義な時間だった。

そして今帰る方法を司書さんから教えてもらう。

「私達の思穩は林檎でしょう。」

『そうですね』

そんな話をしながら先程の広場のような所へ向かう。
話が終われば、周りの音へ意識が向く。

「綺麗な顔.....」

「美しいね〜.....」

その声を聞き、司書さんの顔を見上げる。
確かに今冷静に見ればお人形さんみたいだなと思っている。

肌は白く、全体的に色素が薄い、スラッと背が高く、腰が細い。
だけど女性らしさというより男性らしさがある。

そして何よりも目だろう、優しそうな目の中に薄い三白眼。
現実離れしたというか、この絶妙さ、まるで人間がカスタムしたみたいな。

「私の顔を観察するのはいいですが、前を向かないと危ないですよ。」

『え?』

ちらっと前を見れば、街灯の柱が目の前にあった。
司書さんが注意してくれたからすれすれで止まれた。


『ありがとうございます司書さ...』

「噂、本当やったなぁ。」


お礼を言おうとすれば誰かの声が私を遮った。
目の前を見れば、片目を隠した眼鏡と水色髪のぐるぐる眼鏡、ヘルメットの男性。

訳の分からない状況に司書さんを見れば、顔を歪めていた。


「Aさん、下がってください。」


司書さんは片手を私の前に出し、庇うように遮る。
何が起こってるのか分からない。
バトルか?バトルなのか?

「はぇ〜...?お前は、俺らの仲間を眠らせた奴を庇うん?」

「それは仕方のないことです、何年も経てばそれは...」




「お前らは欠陥品やない、捨てられる可能性が低いから言うとんのやろ、眠る可能性はあっても。」





「もし自分が眠ってもその慰めでメンタル壊れないようにしとんやろ」

「いいですよねぇ〜貴方は美しいが故に買取相手もきっと見つかるでしょうし」


話が掴めない、説明にあったっけ。

そんな私を片目を隠した彼が見る。

彼はずいっと私に顔を近づければ、人差し指で軽く顎を持ち上げ
さっきより更に顔が近づいて_



その瞬間、司書さんが私の手を引き、胸の中に収まる。


「君は自身の感情を満たしたいだけの為に学びと偽った汚れを教えてるんや。」

「なんや童貞くん、汚れることは悪いことやないやろ?」


二人の間にバチバチとした火花が散る。
これはまずいと止めようとした瞬間、電話が鳴った。

高嶺の花にも蝶々は止まる→←思穩



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ひつまぶし - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2023年2月10日 13時) (レス) @page33 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
さなくさ - シャオさんの不人気ネタがこんな良い話になるとは、、、!鬱軍団ええっすね。しょっぴさんがおかんみたいな雰囲気がたまらんです。 (2022年1月19日 21時) (レス) @page31 id: 37c7f9211e (このIDを非表示/違反報告)
ソロ - うわぁ、好きすぎてなんかヤバイ(?)大先生が電話してた、ハミサちゃんはマジ天才だと思った、作者さん天才。 (2021年12月19日 10時) (レス) @page25 id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
西園寺麗奈(プロフ) - 初コメ失礼します、うぽつです!!とっても面白いです……これからも応援してます…! (2021年12月10日 17時) (レス) @page19 id: 187d02f989 (このIDを非表示/違反報告)
尊敬なるさえ子様(プロフ) - え?好きです (2021年12月4日 21時) (レス) @page11 id: 8684885a5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ZOZOZOZOーん | 作成日時:2021年11月27日 18時

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