・ ページ10
.
「それは、どういうことだい?」
五条の言葉は捉えようによっては彼らが既に敵であることを指す。根津は五条の頭の良さを認めていた。だからこそ、冷静に考えることが出来た。
「
「…君は、面白いことを言うね!」
「…何、言ってんだ」
ここに生まれた時から。ここに。
まるで別の場所でもあるような物言いだ。それに気付かない根津では無い。相澤も、そんな発言をした五条を怪訝そうに見つめていた。
「諦めてんだよ。ヴィランはともかく、俺たちにヒーローは無理だ。なぁ傑」
「……………チッ、クズが」
「え?聞こえなーい」
夏油の
夏油は、五条がどうやら楽しくなってしまっていることに勘づいた。今日の帰りは遅くなることを察した。今夏油のイライラ度はMAXだった。わかったことを聞く五条に、苛立ちが隠せない。
「ま、そーゆーことだからさ。俺らはヒーロー科には移らねぇ」
「……君たちにどんな事情があったか、僕は知らないし、聞く気は無いさ!だけどね、君たちはまだまだ若い。これからきっと色々なことに出会うさ。ヒーローになれないなんて決めつけるには、まだ早い。ヒーロー科に移ったからと言って無理にヒーローにならなくてもいいのさ。ただ、君たちの将来の選択肢を──…」
「うるせーよ」
一段と低くなった五条の声に根津は気圧された。強ばった自身の体に疑問を抱いた。自分は生徒一人の威圧感に負けるほどのものだったか、いや、違う。彼が、五条悟という人間が、遥かに上に立っているのだ。根津が再び五条の方を見遣れば、彼の横に座る少年少女もこちらをじっと見詰めていた。酷く、冷めた目をしていた。思わず気を張ってしまう。
「言ったよね。ヴィランにも、ヒーローにもなる気は無いんだよ。これは変わらないって、言ったよね?学習しろよ」
ふと軽くなった声が、また落とされた。
同時に、根津と相澤の気が引き締まった。今目の前に座る人間は、もしかせずとも、オールマイト以上の力があるのではないか。根津は頭の隅でそんなことを考えた。
4071人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
く - また戻って来ちゃいました…!!本当にいつ読んでも面白くて飽きません!!この小説が大好きです!! (3月26日 11時) (レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり???え??ここで???え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです!私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください! (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ずんだもち | 作成日時:2021年6月11日 21時