四輪 ページ4
大きく開かれた扉から見つけた上司(?)の姿。……あれ?今日はシフト入ってないんじゃ……。
「いらっしゃいませー!って、あっ!紫ちゃんじゃない!久しぶりー!!」
一度大きく見開いた目を閉じて、心を落ち着かせる。
ここは、ポーカーフェイス。さっきの驚嘆顔はなかったことに……。
『梓さんお久しぶりです。……あ、今日家でテレビの予約し忘れたんだった。ごめん、園子。帰るねー!』
「ちょちょちょ、さっき何も用事ないって言ってたでしょ!」
「あ、紫お姉ちゃんだ!わーい」
くそっ、厄介なガキにも捕まってしまった。ってか、いたのかコイツ。
「紫、観念しなよ。今日こそ、紫と安室さんを会わせるんだって園子張り切ってたんだから」
うわあ、嵌められた。この胡散臭い笑顔に嵌められた。詐欺罪で訴えてやる。公安警察が市民だますなんてありえない。
『いーやーだー!だって、安室さんって人カッコいいんでしょ!?やだやだ!!カッコ良すぎたら目の保養通り越して死んじゃうって!失明しちゃうって!!いつも言ってるじゃん!!』
園子並みの面食いであるという設定にしておいてよかったと今心の底から思った。
これは便利だ。さっきの驚いた顔もこれで全部説明がつく。
「とりあえず、お席にご案内いたします」
そう案内はされたものの、やっぱり面と向かい合うカウンター席に案内された。
くっそー!なんで対面なんだよ。そして、何でちゃっかり隣にいるんだよ、コナンくん!!
「安室さん!この子です!!この間も賞を授与されてた小説家のリーラさんは!
そして、あたしたちの親友!
「お会いできて光栄です。リーラさん。
僕、あなたの書く小説大好きでして、全巻揃えているんです。あの……もしよろしければ、サインなんてもらうことはできますか?」
『そうなんですか!嬉しいです。
先ほど、紹介にあずかりました八雲 紫こと、小説家のリーラです。初めまして、安室さん。
いつも私の書く書籍を読んでいただきありがとうございます!
サインですか、いいですよ。あ、でも年齢は非公開なのでこのことは……』
「わかりました。秘密、ですね」
人差し指を自身の唇に当て、ウインクをしながらの発言にはさすがに堪えるものがある。だが、それは面食い紫の場合であって、私ではない。そもそも降谷さんの機関銃のような喋りには驚いたが、間も開けずにリーラとして今は接することができてよかった。
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