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ピアノが置かれた理由7 ページ7

グラスに水を注ぎながら、マスターは思案する。
その間に歌手が新たな疑問を投げかける。
「そういえば、このお店って、いつからやってるんですの? 先程マスターは父の頃には、と仰いましたが、マスターのお父様が店を始めたのではないのですか?」
「ああ、Zionは私の祖父が経営を始めたものでして……あ」
マスターは思い至ったような顔になり、最後のグラスを丁寧に置くと、店の奥にいそいそと戻っていった。
みんながお冷やを飲み飲み待っていると、マスターが古ぼけたノートを携えてやってきた。
ノートはかなり色褪せていて、長い年月を経ていることが見てとれる。
マスターがノートを軽く掲げ、説明する。
「これは幼い頃に書いていた日記です」
「あらまあ、日記をつけてらしたなんてお可愛いですこと」
歌手の指摘に、滅多なことでは動揺しないマスターが少し慌てたように軽く頬を赤らめた。珍獣でも見たような気分だ。
それから、マスターはページをめくった。
「ありました。私が祖父にバーを始めようと思ったきっかけを聞いた話」

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年10月25日 13時

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