今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:2,277 hit
小|中|大
ピアノが置かれた理由6 ページ6
「お冷やのおかわりはいかがですか?」
そこへちょうどいいことに、マスターがやってきた。全員の視線がそちらを向く。
ピアニストが一番気になっていたのだろう。真っ先に口を開いた。
「マスター、あのピアノっていつからあるんですか?」
その質問にマスターはきょとんとし、それからしばし考えるように立てた人差し指と目線を上に向ける。やがて、首を傾げた。
「そういえば、いつからでしょう?」
宛てにしていた全員が拍子を抜かれる。おいおい、と眼鏡が声をかけた。
「お前さんは親父さんの頃から店のことは見ていただろう? それが知らないとはどういうことだ。しっかりしてくれよ」
「うーん、そう言われましてもねぇ。父が継いだときには既にあのピアノはありましたし……」
となると、この店にピアノが搬入されたのは何十年も前ということだ。眼鏡たちの年齢では足りないほど長生きということになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九JACK | 作成日時:2019年10月25日 13時