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ピアノが置かれた理由6 ページ6

「お冷やのおかわりはいかがですか?」
そこへちょうどいいことに、マスターがやってきた。全員の視線がそちらを向く。
ピアニストが一番気になっていたのだろう。真っ先に口を開いた。
「マスター、あのピアノっていつからあるんですか?」
その質問にマスターはきょとんとし、それからしばし考えるように立てた人差し指と目線を上に向ける。やがて、首を傾げた。
「そういえば、いつからでしょう?」
宛てにしていた全員が拍子を抜かれる。おいおい、と眼鏡が声をかけた。
「お前さんは親父さんの頃から店のことは見ていただろう? それが知らないとはどういうことだ。しっかりしてくれよ」
「うーん、そう言われましてもねぇ。父が継いだときには既にあのピアノはありましたし……」
となると、この店にピアノが搬入されたのは何十年も前ということだ。眼鏡たちの年齢では足りないほど長生きということになる。

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年10月25日 13時

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