Two's company (ページ5)

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紫「ほら、廉も笑って？廉には笑顔が一番似合ってると思う」

俺の顔を覗き、微笑みながらそう言う平野さん

廉「えっ、」

そんなこと、初めて言われた、

やけど、もう俺には

笑顔になる方法とか、

笑顔を作る方法なんて、

覚えてもない

笑わずに、

無表情か、涙を流すだけの日々。

そんな俺に、笑顔が溢れる、

なんてことは、なかった

紫「転入初日でこんなこと言うのもおかしいかもしれねぇけどさ(笑)

　 …笑顔になれないなら、俺が笑顔にさせる。

　だから、廉。仲良くなろ！！」

顔を俯かせる俺にそう言う平野さん

仲良くはなれない、

やけど、

なれるもんなら、平野さんと、仲良くなりたい、

俺の中に久々に生まれたこの感情

まだ会ってから、数時間の仲

やけど、平野さんは、

今、俺が居る、暗い闇の中から連れ出してくれそうな気がして、

なんだか、勝手にうれしくなった

ぐぅっ

紫「あ、お腹なっちゃった(笑)

　俺も食べよ！いただきまぁす！！」

俺の隣で弁当を広げ、手を合わせて、食べ始める平野さん

そういえば、

誰かとご飯なんて、

ほんま久しぶり、

なんか、誰かと一緒にご飯って、良いな

なんて思いながら、ご飯を食べる

紫「あ、そうそう、廉、俺が話したときに、敬語に関西弁が混ざってたじゃん

　関西から引っ越してきたの？」

弁当を黙々食べ続ける俺に平野さんはそう言ってきた

廉「あ、えっと、中学までは、大阪に居って、

　高校は、東京の、この高校に行きたいって、思って…」

俺は、噛んでる途中やった食べ物を飲み込んで、
そう答えた

紫「そうなんだ！！俺は、親の都合で、名古屋から上京してきたんだ～」

なんて、にこって微笑みながらそう言う平野さん

眩しい、明るい、

この薄暗い校舎裏さえ、明るく照らすような、

こんな眩しい存在に、俺は、なれるやろうか、

こんな眩しい存在と、俺は、友達になれるやろうか、

さっきまで、久々に明るい気分やったくせに、

すぐに、暗い気分になる

他人にも優しくなくて、自分にも優しくできないなんて、

ほんま、どうなってんねやろな

自分の醜さに

嫌気がさして、吐き気がする

そして、それに、

自分の最低さに笑いが込み上げてきそうになる、

ほんま、俺はおかしい

こんなん、どう考えても、自分のせいやのに、

あいつのせいだ、俺を苦しめた、あいつが…

とか、考える、自分が大っ嫌い

ちっとも優しくない

相手のせいにする最低な奴

急に苦しくなり、気付けば涙を流していた