Two's company (ページ21)

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廉side

海人さんと紫耀くんが仲良くしてるとこ見て、
胸が少し痛んだ

2人から目が離せずにいると、

紫耀くんが、こちらをチラッと見、

目が合った

驚いた俺は反射的に目をそらし、

外を眺め、

ただただ、降る雨を眺める

あぁ、目ぇそらしてもうた、

嫌な奴って思われたやろうか、

少し経って、雨を眺めていると、

紫「雨、すごいなぁ」

少し低めのハスキーボイス

その声に驚き、肩をビクッと揺らし、

紫耀くんを見る

そして、俺は、外へと視線を戻し

廉「雨、好きなんですよね…、

　自分の汚い心を綺麗にしてくれそうだから…」

気付けばそう呟いていた

俺がそう言うと黙る紫耀くん

俺は怖くなり、

雨を見続けることをやめなかった

地面にたたきつけるように降る雨

雨の音しか聞こえない、

それ以外なにも聞こえない、

なんで、

なんで、俺は、

本音を漏らしたんや…？

雨が好きって言ったのも、

雨が好きな理由を言ったのも、

紫耀くんが初めて、

引かれるって思ってたから、

信じたくもない人間にそんなこと言ったって、

なんもないって思ってたから、

なのに、なんで、俺は、

自分の気持ちを紫耀くんに言ったん…？

黙ってるってことは、

引いたって事やんな…、

分かってたんに、

俺は、なんで言ったん？

そんな思考が頭をぐるぐるして回って、

地面にたたきつける雨音しか、耳に入って来ない

少したって、意識がはっきりとしてき、

先生がやってきたっていうことが分かった

もしかして、

紫耀くんが黙った理由って、先生が来たから…？

もしそうやったんなら、

俺がそう言って紫耀くんはどう思ったやろうか、

引かれてたら、嫌や、なぁ…

なんて、考える

先生が教室から出て、

１時間目の授業の準備を始める

紫耀くんは俺に話しかけようとしたのか、

俺の肩に触れようとした

やけど、友達に呼ばれ、

下唇をはむっと噛み締め、

友達の方へと行った

俺は、少し紫耀くんのことが気になりつつ、

また窓の外の雨を眺めた