序章【起床はいつもより早く】 ページ1
─── 小鳥の囀りで意識が戻ってくる。
【あ、目が覚めるな】なんて意識して目を開けた瞬間、携帯のアラームの音楽が響き渡り、肩を大きく揺らした。
慌てて携帯から漏れ出る音楽を止め、心臓の高鳴りが落ち着くまで深呼吸。
ふぅ、…と漏れ出た息と、
くぁ…と欠伸を一つ噛み殺す。
今日はいつもより
起きる時間を早くして9時に起床。
本来なら遅くても11時頃には起床をして、昼食を作って食べ、家事を熟す。
そうして少しのひと休憩を挟み、大学へ向かう。
毎週木曜日は5時限目しか授業がない。
本来ならば丸一日休みを作るということをしたかったのだけれど、必須科目がその木曜日の5限にポツン…と入ってしまったので、残念ながら取るしかなかった。
でもずっと
1限目から5限目まであるよりかは全然良い。
そのおかげでこうして今日、バイトの面接に行けることが出来るのだから。
洗面所に向かって顔を洗い、歯を磨く。
簡単な朝食を作って済まし、また歯を磨く。
そしたら慣れた手つきで化粧をし、
バイトの面接なので今日は堅苦しいスーツを着る。
──── 今年成人した大学2年生女子。
それが私、
本日はお昼時に面接が一つ入っている。
場所は都内のファミレス。
割と人気の系列店だったはずで、募集要項申し分ナシ。
時給は1050円とそこそこ。
交通費は全額負担。
半額で休憩時に賄いあり。
珍しい24時間営業のファミレスなので、夜勤で働けば時給は1200円。
シフトは週2から。
好きな時間帯でOK。
──── もう、最ッッ高か？
某【バイト探しは】のヤツで検索をかけて見つけたモノで、応募締め切りが残り2日だった。
その為、もう迷う暇もなく応募した。
…お金欲しさに。
奨学金を借りて大学入ったからね。
つい最近までは両親が奨学金の返済を手伝ってくれていた…且つ、仕送りをしてくれて居たんだけれど、「もう成人したんだから」という一言で全てを断ち切られてしまった。
そこから真面目にお金のやりくりが大変で大変で死亡しそうと錯覚する毎日。
上京してきた身だから、尚更なこと辛い。
一人暮らしなのはラクだけれど、頼る相手もいないので悲しい現実。
だからこそお金を貯めなきゃいけない。
ホント大変。
そんなことを考えて居たら、あっという間に家を出る時間帯に。
「いってきまーす」
そう呟いて家を出て、鍵を閉める。
…まぁ、一人暮らしなので
答えてくれる人なんて居ないけど。
続く (更新停止中)
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作者名：39 | 作成日時：2020年12月20日 17時
