No.9:無限城 ページ9
無限城には上弦の鬼が勢揃いしていた。
何百年も行き続け、鬼殺隊員を何百人もの葬ってきた化け物達。
1番遅れてきたAと童磨に、自然と皆の注目が集まる。
さらに細かく言えば童磨以外の上限の鬼全員に、Aは睨まれていた。
当然のことかもしれない。
何故鬼になってまだ2、3年しか経たない小娘が上限の鬼の集まりに来ているのかと思うだろう。
Aに散々構う童磨の方が異常だ。
『…』
Aはその視線に怯えることなく、ぼんやりと『この中の誰かが私を殺してくれないかな』と思った。
無論それは無惨が他の鬼に、Aに手出しをさせない呪いをかけているので叶わないが。
琵琶の音が屋敷中に鳴り響いて、空間が変化する。
全員の視線の先には美しい女がいた。
上弦の鬼達はすぐに気づいた。そしてすぐさま頭を下げた。
何せ、鬼になって無惨に仕えてから何百年も経っている。
全ての鬼を統べる、鬼舞辻無惨だ。
「無惨様、おかえりなさいませ。本日はどのようなご用件で私共を集めたのですか?」
童磨が機嫌を伺うように言うと、無惨は今の容姿に合っていない、低く冷酷な声で答えた。
「私が上弦の鬼を集めたのは他でもない。決まっておる。あれは、まだ見つかってないのか」
あれとは、青い彼岸花のことだ。
無惨の威圧的な態度に上弦の鬼は沈着する。
「「「……」」」
「捜せ。絶対にだ」
「話はそれだけだ。それと」と、無惨をAの方に顔を傾ける。
「貴様はこの後私の部屋に来るように」
『畏まりました』
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作成日時:2020年1月23日 15時