畜生 ページ9
『レインくんおはよう』
「‥‥‥‥‥」
『魔法局って広いね』
『実験室に行きたかったんだけど迷っちゃって‥‥場所教えて』
無視を決め込むレインに対して、全く無心に話しかけるAのコンビを客観的に眺めるには妙に緊迫感があった。
レインは無駄話を極力避ける性。Aは興味がなくともそこに居たなら声をかける性。
何が問題かというとAが本気で話したくて声をかけるなら良いのだが、彼女はぼんやり意味もなく喋り続ける。
これがとてつもなくレインの癪に障るのだ。
「‥‥‥‥。」
『あ、何か考えてる?』
「お前、毒素出すの止めろ」
『だって喋ってくれないし』
『
あどけないAから目を逸らし、レインは辺りの局員の顔色を窺う。
今のところ体調が悪そうな様子はない。
レインの眉間に皺が寄った。
「パルチザン」
無数の剣がAに向く。
彼女は周りを見渡して困ったように言葉を発した。
『早くここから離れた方がいいと思うけど』
『それに、それじゃもう使い物にならないでしょ』
彼女は静かに指差す。
レインの固有魔法は毒素に侵され腐敗して崩れ去った。
『うーん‥‥オーターさん達も忙しいだろうから、レインくんに訊いたんだけど』
『おねがい!実験室まで案内してくれない?』

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絶海(プロフ) - ありがとうございます(*^▽^*)頑張ります (12月1日 15時) (レス) id: 32ca7ee611 (このIDを非表示/違反報告)
海月楓 - めちゃめちゃ面白いです〜!!好きです!!頑張ってください!! (12月1日 7時) (レス) @page8 id: 74428e7ccf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絶海 | 作成日時:2024年11月16日 23時