失敗から学ぶ話／カービィ：�� ページ9
「まずチョコレート入れちゃおう！ 次にマシュマロ、後はお刺身、ジャガイモとウインナー……」
「そうだね。思い出さなかった私が悪いんだよね」
最初にカービィが「カレーライス作るよ！」と言ったときに、お昼からカレーかぁ、などと思わず、もっとちゃんと止めるべきだった。
カービィは鼻歌を歌いながらキッチンに立って料理をしている。
作っているのはカレーだ。カレーの、はずなのだ。
「できたー！ ご飯によそってー……はい、どうぞ！」
ずい、と笑顔で差し出されたカレー(らしきもの)を引きつった笑みで見つめた。
チョコとマシュマロの甘さにカレー独特の香辛料の香りが合わさって……なんとも不思議な匂い。いや、臭い。
茶色のルゥから時折ウインナーと刺身の赤が覗いたりと、なかなか不気味な色をしている。
恐る恐る一匙掬ってみると、溶けたマシュマロによりもっと粘っこくなっていた。きっと刺激的なほどに甘い味なのだろう。
ちらりとカービィを見やる。
……とてつもなく、これ以上ないほど、最高にきらきらと輝く瞳で見つめられている。
「どうしたの？」「早く食べて！」と二つの目で訴えてきている。
ダメだ！ 私にこの期待を裏切る事なんてできない！
再びカレー(とは言えない)に目を戻し、ごくりと唾を飲み込んで……意を決して……口に含んだ。
この味をどう形容すればいいのだろうか。
まず最初にマシュマロがくどい甘さの波を引き連れてやってきたかと思えば、次にはカレー本来の辛みが自己主張を始める。
この二つの勢力が争い始めたところに、仲裁に入るようにウインナーのぎとぎとした肉汁が滑り込む。
そしてカレーとしては至って普通の具材であったはずのジャガイモは、ルゥを少しだけ吸って彼なりの家庭的なメシマズ味となっている。
ご飯粒達は一生懸命彼らの味の引き立て役になろうとしていた。やめてくれ。君はそのままでいいんだ。
一度噛むごとに全身が冷え切り、まるで天国に昇っているような、地獄に突き落とされているような、二つの出来事を体験できる。
あれ、本当に意識が——
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
