扉越しに語る話／カービィ：�� ページ14
本性を現したマホロアの言葉がきっかけだった。
「最初はボクモ、利用するツモリなんてナカッタヨォ。デモ……キミがアノ“星のカービィ”だって知ってたカラ、イッソのことランディアも倒シテもらおうッテ思ッタんダヨ！」
それを聞いたときは変な様子は見られなかった。
けれど、旅を終えた後にカービィは家に閉じこもり、塞ぎ込んでしまった。
そして今日、私はカービィの家までやって来た。
扉を軽くノックする。
「カービィ……Aだよ。ちょっといい？」
「何？」
返事は聞こえたが、扉が開く様子はないのでもたれかかって座ることにした。
木でできた扉の感触が固い。
「最近家から出てないみたいだけど、ちゃんとご飯は食べてる？」
「な……なんで真っ先にご飯のこと聞くの？」
「だって、カービィ食べるの大好きでしょ。もしご飯も食べてなかったらって思ったら、心配だったんだよ」
ちょっとだけクスクスと笑い声が聞こえ、もたれかかっている扉がわずかに動いた。
カービィも同じように扉の前に座ったようだ。
「……戦ってる時は無我夢中だったから、あんまり考えなくて済んだんだ」
笑い声がやんでから、ぽつりと話し出した。
「マホロアは「“星のカービィ”だって知ってた」って言ったよね」
「うん」
「もしぼくが“星のカービィ”じゃなくて……ただのカービィだったら、マホロアも野望を諦めたのかもしれないよね」
友達はもちろんのこと、知らない人さえ助けに向かうカービィだから、マホロアに利用されていたことがショックだったのかな？ と思っていたけれど、どうやら違うらしかった。
「ぼくのせいで、ぼくが“星のカービィ”だったから、マホロアは悪いことをしちゃったんじゃないかな。英雄になんて、なりたくてなった訳じゃないのに」
絞り出したような声が震えている。
いつも春のお日様みたいな笑顔を絶やさず、悲しんでいる顔なんて滅多に見せないカービィが泣いていた。
「こんなことなら、みんなと関わるんじゃなかった、って……嫌なこと、思っちゃうんだ」
あまつさえ、そんなことを言い出すなんて。
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
