小言を言われる話／エスカルゴン(?) ページ11
揺れる二本のまつげ。腰につけた小さな剣は、大勢の兵士を引き連れるカリスマの表れ。
そしてちっちゃな体には、それに見合わない程の熱意を持っている。大きな目には決意と感謝が宿り、時たま潤んでは私を悶えさせる。
はあぁ、やっぱりワドルドゥ隊長はかわいいなぁ……
「A！ まーたここにいたんでゲスか！」
せっかく悦楽に浸っていたのに、後ろからエスカルゴン閣下の怒声が聞こえた。
私はただ仕事をしていただけだというのに……隠さずにため息をついた。
「あのー、閣下？ 私にも一応仕事というものがあるんですけど？」
「仕事ってアンタ、じーっとワドルドゥ隊長を見てるだけじゃないでゲショうが！ そんなことやってる暇があったら、我が国のために身を粉にして働く方がずっといいでゲス」
「立派な仕事です！ 兵士達がサボっていないのかちゃんと監視してるんですよ」
「だったら隊長だけを見てる必要なんてないでゲショ！」
仕事でしゃがんでいた体勢だったので服の襟を掴まれ、ずるずると引きずられた。
小さな剣を持ってあちこちに指示を出す隊長の姿が遠くなっていく。
あー、オアシスがー……私にとっての夢の泉がー……
「だって前やったアレでしょ？ もう嫌ですよ、あんなの仕事って言えません。拷問じゃないですか」
「大げさな、ただ陛下のマッサージをするだけでゲスよ！」
「嫌です。どうせなら隊長の肩とかアレとかソレを揉みたいんです！」
段々と部屋が近くなってきた。それにつれて陰鬱な気持ちになってくる。
お駄賃ももらえるから、マッサージすること自体に不満はない。
でも陛下にすると文句は多いわ萌えないわで……全く私にメリットがない。
「閣下がマッサージすればいいじゃないですか」
「アンタが一番マッサージうまいんだからしょうがないでゲス」
はぁ、と息をついて閣下が立ち止まって振り返る。
さすがにずっと引きずったまま歩くのは、ご老体によろしくなかったようだ。
服についた石や砂やらをパンパンと払いながら私も立ち上がる。
「それにワタシだって嫌でゲスよ！ 無駄に太って暴力ふるって、そのくせ頭はパンパカパン、やることなすことぜーんぶ害悪……」
「閣下」
「あぁん？」
「後ろ」
閣下が後ろを振り返ると同時に私は逃げ出した。
巻き込まれたくないもの。
後ろから誰かの怒鳴り声、悲鳴、そして何かを叩きつけた音が聞こえた気もした。
さーて、また隊長のところへ仕事に行かなくっちゃ！
さいごに賭ける話／クィン・セクトニア→←失敗から学ぶ話／カービィ：��
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
