渋々気遣う話／プレジデント・ハルトマン：�� ページ2
その日はいつもと違うな、と感じた。
そう、いつもなら……ワシが家から出るとアイツは真っ先にワシの元へ駆け寄ってくるのである。
別段来ようが来まいがワシには関係ないのであるが、今日は来ないのか。
アイツは「今日は朝ご飯がパンだったからおにぎり作ってきたんだ」「午後から雨らしいから傘持ってきたよ！」と、いつ起き何を食べたのか、いつ家を出るのかを知っているように、ワシに話しかけてくるのである。
まさか、アイツに情報を流している者がいるのか……？
「ふぁっくしょん！」
と、ワシが考え事をしていると、秘書のスージーがくしゃみをした。
まぁ考えすぎだろう。
「もしも風邪だというのなら、体調管理をしっかりしろ。このままでは我が社は破産の道を辿ってしまうのだぞ。誰一人として、働かざる者を出すわけにはいかんのだ！」
「申し訳ありません、社長。誰かが噂をしていただけのようですわ」
風邪でないのなら労働力が減らないからいいが、これからカンパニーの再建に力を入れねばならぬというのに……万が一風邪をひかれては困る。
ワシは気を失っていたから覚えていないのだが、マザーコンピューターが自我を持ち暴走した挙げ句壊されてしまったのだという。
目が覚めてから三つ、以前と変わったことがあった。
一つ目は仕事の進め方も発想も計画も、全て自分たちでやらねばならなくなったこと。
マザーコンピューターの経営戦略があれば、きっとこの状況でも容易に打破することができたのだろうに……
あのヤバンなゲンジュウ民め……なぜマシンを壊してしまったのだ……マシンが無ければワシは夢を叶えることもできん……
じんわりと胸の中に喪失感が広がり始めた。
だめだ。考え事をするな。これでは仕事に支障が出る。
以前試しに購入してみたパワップＤとかいうドリンク剤に手を伸ばすと、それを取り上げられた。
「こちらのドリンク剤は食品安全省認可のマークもございませんし、効き目が切れると体力が極度に落ちますわ。摂取すると余計に業務が遅れることになります」
最後の一つは、秘書のスージーがやたらと口出しをするようになったのである。
実際に飲んだことなどないはずなのだが……スージーの言うことは尤もだと感じた。
顔をしかめつつも仕方なく書類に手を戻した。
「……そういえば、今日はAは来ませんわね」
仕事を再開しようとした思考が止まった。
いや、別段来ようが来まいがワシには関係ないのである！
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
