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「左助くん、何が食べたいとかあるかしら?」
「なんでも食べます。好き嫌いはありません!」
「まあ偉いわね。じゃあ…おにぎりでもつくろうかしら。」
「お手伝いします!」
左助くんが昼ごはんを作るのも手伝ってくれるというので、おにぎりを握るのを手伝ってもらうことにした。
あとは…お味噌汁も作ろうかしら。そういえば、百合さんにいただいたお漬物もあったわね。
百合さんは、狼隊の奥様たちの一人で、わたしがここへきたときから良くしてもらっている。
20代で、私よりも少し上の方で、最近お漬物を作るのにハマったから、といって先日色んな種類のお漬物をもらってしまった。
きゅっきゅ、とおにぎりを握ってみせると、左助くんは少量のご飯を手にとって、私の真似をし始めた。
「そうそう、上手よ。」
「でも、Aさまほどきれいに握れません。」
む、と顔をしかめて四苦八苦している左助くんに、思わず頬を緩める。
「ふふ、私だって小さい頃はきれいに作れなかったわ。大丈夫、だんだん綺麗に作れるようになるから。」
「…そうでしょうか」
「ええもちろん。」
ふたりで握ったおにぎりとお味噌汁、お漬物を食べれば、たちまちお腹はいっぱいになった。
「Aさま、ありがとうございました。とってもおいしかったです。」
「それは良かったわ。食後のおやつは何かあったかしら…」
お菓子を探すついでに、お茶でも入れようかと台所に足を踏み入れる。
すると、にわかに家の外から声が聞こえた。
「ここかなあ…?」
「ここだよ、きっと。」
「違ってたらどうするのよ!」
「大丈夫だって、行こうぜ!」
「ちょっとまってよ!」
何事かしら、と思ってがらがらと入り口の引き戸を開けた。
「まあ」
「わああああ!!」
「あ、あ、ご、ごめんなさいっ」
「わ、Aさま、」
そこには女の子と男の子、合わせて5人が入り口の近くに立っていた。
「こんにちは。どうしたの?なにかご用かしら?」
微笑んで一番前に立っていた男の子に声をかけた。
「えっと、左助のことを探しにきたんです!」
「弦?と、みんなも」
私達の話し声が聞こえたのか、左助くんが中から顔を出した。
「左助くん、もしかしてお友達?」
「そうです。…なんで来たんだ。」
「左助だけ雑渡昆奈門様のお家に行くなんてずるい!」
「私たちだって行きたかったのに!」
話を聞けば、みんな雑渡様に会いに来たらしい。
あいにく雑渡様は不在だと告げれば、皆がっかりした表情になった。
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ゆき - ハナイツキさん» 今までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!最初の方から何度もコメントを頂いて、本当に励みになりました!感謝の言葉しかございません。さらなるいちゃらぶを目指しますので、続編もよろしくお願いいたします! (5月2日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ハナイツキ - 完結お疲れ様です!本ッッッッ当に大好きな小説です!もう雑渡さんにキュンキュンしまくりで、最後の結婚のくだりでは涙ぐみながら読むくらい、、続編も読ませていただきます!雑渡さんとのいちゃラブ生活のご提供、本当にありがとうございました!!! (5月1日 23時) (レス) @page50 id: a0586360be (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ミリリン(・ω・)さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。続編も書こうと思っておりますので、気長にお待ちいただければと思います。続編もよろしくお願いいたします! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - astrumさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!続編については、書いてみようかなと思っております。続編の方も、よろしくお願いいたします。雑渡さんとのいちゃらぶ生活…頑張ります笑 (2023年3月28日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ミリリン(・ω・) - え?好きです。 ヤバイですね むっちゃ面白かったです! 続編出たら絶対読みます。 気長に待っています! お疲れ様でした! 素敵な作品をありがとうございました! (2023年3月28日 21時) (レス) @page50 id: 5a9db1aae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2022年1月30日 0時