子供の成長なんて一瞬 ページ2
迦葉が怖がるからお前らはついてくるな、と文句を言う2人を置いて手を繋ぎ外にでる。
昨日1人で出かけていた時に何かがあったはずだ。迦葉と会った人間を探す。
早速店の前でお登勢に会う。
「ちょっと銀時、なんだいその子供は。…あいつに似てるねェ。」
お登勢に顔を覗きこまれ、俺の後ろに隠れた。
「オイババァ、怖がってんだろうが…朝起きたらこうなってたんだよ。昨日こいつと会った奴を探してる。」
「ヘェ…餓鬼の頃はこうだったのかい?可愛いじゃないか。」
「今も可愛いだろうが。じゃ、俺ら行くから。」
いつもより遥かに低い位置にあるその頭を撫で、歩き始めた。
『銀、ここ、どこ?』
「ここは俺達が今住んでる町だ。変な奴が多いから離れるんじゃねェぞ。女と油断してるとゴリラだった、なんてことも…」
「あら銀さん。まさか私のことじゃないわよね?」
…ゆっくり振り返る。黒い笑顔をこちらに向けるお妙。その横には九兵衛もいた。
「妙ちゃん落ち着いて…銀時、その子は?」
軽く経緯を伝える。
「なるほど…昨日も妙ちゃんと出かけていたけど、迦葉とは会わなかったな。」
「お前らもはずれか…」
「…にしても本当に可愛いですね。そういえば昔、新ちゃんが弟が欲しいとか言ってたような言ってなかったような…」
「…やらねェぞ。」
危険を感じて抱き上げる。そのまま俺の首に抱きついてきた。
「残念だわ。」
「君にはよく懐いているんだな。」
「当たり前だ。な、迦葉。」
ずっと黙っていた迦葉がゆっくりと口を開いた。
『…銀、おれの。…取らないでね…』
何かを勘違いしているらしい。…可愛い。
思わず口元を手で押さえた。叫ぶところだった。
「嫌だわ迦葉さん。こんな人うちには要りません。」
「妙ちゃんが欲しがっているのは君だけど…その様子だとどうやら難しそうだな。」
『ほんと?取らない?…ありがと。』
嬉しそうに笑って、手を伸ばしてお妙と九兵衛の頭に触れた。
「…ところで銀時、実は僕には生き別れの弟がいたような…」
「お前もかァッ!ここは危険だ!次だ次ィ!」
走ってその場を離れた。
「待ちなさい銀さん。」
ストーカー女の声。
「お前、何か知って…」
昨日も迦葉を見ていたはずだ。
「間違いないわ。…ショタ迦葉くん可愛いすぎ!堪んないわ!ちょっとその小さな手でお姉さんのこと叩いて…」
木刀を突き刺して去る。
『銀、あれは?』
「関わっちゃいけねェもんだ。」
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時