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体育館は床張りで踏ん張りも効くが、砂浜はそうはいかない。
砂に足がめり込むのを利用する。軽く助走をつけてジャンプし、手から飛び込む。その反動で体を前転させもっと高く。
イメージは三段跳び。跳び箱がどれほどの高さになっていようとも、私は美しく跳んで見せよう。
日も暮れて、砂浜では皆が焚き火を囲んでいた。
立ち上がってそばへ行こうとしたら、くらりとめまいがした。片手で目を押さえていると、視界が戻ってくる。
「A、ムリはするなよ♧」
どこから現れたのか、ヒソカが手を差し出してくれた。それに甘えて、手を重ねる。
「大丈夫、ありがとう。ヒソカは、特訓の進捗はどう?」
「ボクはゲームを楽しむだけさ♤」
ツェズゲラが、どうかなと言った。
「遊び半分でやられても困るんだが……」
「ゲームは遊びだよ♧相手が強いならボクが勝つし、欠伸が出そうな相手ならやっぱりボクが勝つ♡」
ヒソカに手を引っ張りあげてもらい、私はやっと立ち上がった。
じゃあさ、とゴンが片手を挙げた。
「負けたら罰ゲームやればいいんだよ!腕立て500回とか、キルアとよくやるんだ。ツェズゲラさんたちもやろうよ」
「ウ、ウム……」
「いいよ、ボクは負けないからね♢」
砂浜に寝転ぶと、晴れた夜空はたくさんの煌めきを垣間見せてくれる。潮騒は故郷とどこか似ていて、でもやっぱりちょっと違う。
あくびをしながら、ぼんやりとこれからのことを考えた。
スラム街で出会った子供たち。彼らの希望になれればいいな、とぼんやり考えていた。
翌日も特訓だ。
砂浜へ行こうとした私をヒソカが呼び止めた。
「ボクが相手してアゲル♢天空闘技場でキミと闘えなかったのが、心残りだったのさ♤」
かくして、組み手を特訓することになった。
「殺すつもりでおいで♡ボクもそのつもりでイクよ♧」
まっすぐに白浜に立ったヒソカは、手招きするように手を振った。私から来い、ということか。
右ストレートも、膝蹴りも何なく受け止められた。ここまでは想定済みだ。両手が塞がった瞬間に、額を撃ち下ろした。
鈍い音がして、こちらも頭がガンガンする。が、ヒソカが少しバランスを崩した瞬間を狙って右脚で回し蹴りした。
そしてすぐに飛び退いた。
ヒソカの額から血が一筋滴り落ち、彼はそれを舐めとった。
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Ash(プロフ) - かなめさん» かなめさん、こんにちは。更新遅くなってすみません。ヒソカ推しの同志がいてくれて嬉しいです。 (2020年3月19日 11時) (レス) id: 15c859a546 (このIDを非表示/違反報告)
かなめ(プロフ) - 更新お疲れ様です!ヒソカ推しなのでかっこいい姿が沢山あって嬉しいです (2020年3月16日 12時) (レス) id: 70bd3babc7 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - スーパーヒソカタイムめっちゃ笑いました!!更新がんばって下さい! (2018年3月10日 21時) (レス) id: 2984f0eef0 (このIDを非表示/違反報告)
鉄子(プロフ) - キングダムっぽい技ですねwトーンタンタンは技の掛け声として最高です!w楽しく読まさせていただいています!がんばってください! (2017年11月24日 22時) (レス) id: a0856aab8c (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 待ってますね!頑張ってください! (2017年11月22日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
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