67.無一郎 ページ27
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もうすぐ任務に向かうという彼女に「いってらっしゃい」と一言だけ言えば、何が嬉しかったのかふにゃりと間抜けな笑顔一つ浮かべるA。
やっぱり笑っている方が良い。何が良いのかって言われても、なんとなく、僕の気分が良いだけ。
「あっ!まだ無理したら駄目だよ!」
「任務が来たら僕は行くよ」
なんて返事を返してみれば、Aはいきなり真剣な表情になって変な理屈で全力否定してくる。
この間あったばかりの君には関係ないだろ。と言おうとしたが、確かにもし目の前にいる彼女が傷ついたり、ましてや死んだらって考えると僕も嫌だと思った。だからもう少しだけ安静にしてると約束してしまった。
僕こんなキャラだっけと自分でも思う。
『A!A!!那田蜘蛛山へ急ゲ!!』
「分かったよ!糸を操る銀髪美少年の元に行けばいいのね!僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するなで同じみのあの方の元にね!はいはい!!」
AとAの鎹鴉の話から聞こえてきた"銀髪美少年"という単語。
・・・銀髪美少年って誰のこと。
この心の中で思った事が口に出ていたようで、Aは気持ち悪くクネクネと体を動かしながら「私のダーリン」と答えた。ダーリンの意味って確か"愛しい人"だったよね。
そう考えたらびっくりするほど心がモヤモヤした。僕に好きとか言ってたくせになんなの。
「ダーリンって糸目鬼のときもそうだったけどAはちょっと惚れ症すぎ。直しなよ」
「いや誰にでも言ってるわけじゃな」
「直しなよ」
「いやあの」
「直しなよ」
「はい」
この感情が何かはまだよく分からないけど、簡単に言ってしまえば執着なんだと思う。
何かに執着する事は今までなかったし、執着しても記憶は無くなるし、失ってしまいそうで怖かった。でも君の事は記憶にこびりついて離れないんだ。
「じゃ行ってきます!」
「ちょっと待って」
「ん?お別れのハグ?全然ウェルカム!」
「違う。・・・隊服下短すぎない?蹴りを入れたら絶対見えるよ?わざと見せてるの?露出狂?もう少し長くしなよ」
「えっ、おかん????」
本当は死なないでね、って言おうとしたけどAはすぐ死ぬような奴じゃないからやめた。まあ死んだら絶対許さないけど。
それにスカート丈も気になってたし。
Aの言うこと良く分からないし好き好き言う馬鹿だけど、_____次会えるのが楽しみだな。
-時透無一郎編 完-
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うえ - んぎゃ..鬼にまで好かれるとか最高すぎんか..待ってます!! (1月5日 9時) (レス) @page36 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - あっ好きです(急)結婚しましょu(((((( すみません取り乱してしまいました^ ^めっちゃにやにやしちゃいましたww更新待ってます!!!! (5月7日 21時) (レス) @page36 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - ふづきさん» あ、へ?え!?なんか褒められました!?あざさです!(?)めっちゃ嬉しいです!(なんのことかよくわかっていない件について) (2022年3月6日 1時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき - Koma?♂さん» がちでおもしろすぎるww文書く才能ありすぎです (2022年3月6日 0時) (レス) @page36 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
Koma?♂(プロフ) - ぁぁダァダダァぁ!好きです!もうこういうのをまとめてました!更新頑張ってください!応援してますぅ (2021年11月3日 22時) (レス) @page36 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年8月13日 2時