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22話 ページ24

《 倉持視点 》





「お!倉持先輩!おかえりなせえ!」
 
 
「うるせえ沢村」


「手厚く迎えたのになぜ!!!」




五号室に帰るなり聞こえた、相変わらず声のデケェ沢村の挨拶を適当に躱して俺は自分の勉強机に付属する椅子に腰を下ろした。


 

 
初めてのデートは思ったよりも普通だった。


 
内村は今日のために髪や服装をこだわってくれたらしく、正直めちゃくちゃ可愛かった。
 

 

けど、なんとなく物足りねぇ。



内村に観たいと言われた映画の内容は俺にはあまり刺さらなかったし、野球ばかりしてきた俺は女子の扱いすら良く分からなかった。




ずっとどうするべきかを考えちまって素直には楽しめなかった。






本当はバッティングセンターに行きてぇなと思ったし、広い公園でキャッチボールもしてぇと思った。



" 俺にとって " 理想の楽しいデートというのはそういう類だ。




しかし内村は運動は苦手らしく休日も進んで屋外に出ることは少ないインドア派、対して俺はゲームは好きだが根っからのヤンチャ坊主でアウトドア派。




趣味が違うからどちらかが妥協するのは当然だと思う思ったし、内村が楽しいならそれで良いかとも考えた。





けど結局、物足りなさを感じている。



初めてのデートって大体こんな感じなんだろうか。






悶々と悩んでいると、能天気な笑顔で沢村が何やら今日の自主練での出来事を報告し出した。




御幸に珍しく褒められただの、クリス先輩にピッチングを見てもらっただの、染谷の作った飯が美味かっただの。





 


 

 
……………は?




「おい、染谷の飯がなんだって?」



「え?だから、染谷先輩がおにぎり作ってくれて……………あ。」




沢村はうっかり口を滑らせたらしく、しまった!という表情を隠しもしねぇ。まあバカ正直なコイツにポーカーフェイスなんて出来るわけねぇけど。





つか、意味わかんねぇ。



俺のことは悉く避けておいて、他のヤツらには自主練の日なのにおにぎり作ったりすんだな。普通に。






………なんで他の男は良いのに俺はダメなんだよ。クソ。






考えれば考えるほどムカついてきて、チッと舌打ちをすると俺はストレス発散にと素振りに向かった。

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マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです 丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年8月15日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マカロニ | 作成日時:2020年7月24日 12時

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