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1話 ページ3

 
 
 
 
「今朝も言ってたねー、倉持」




四限の授業が終わって、昼休み。

机を三つくっつけてお弁当を広げると、サチがそう切り出した。

そのサチの言葉に唯が続く。





「"彼女ほしい"ってね。何もAに言わなくてもいいのに」



「Aみたいに可愛い子が好いてくれてるんだから、とっとと気付け!!って感じだよ」


「いやー、私が倉持の好みじゃないから恋愛対象外なんだと思うけど…」





私が苦笑すると、サチと唯が肩を竦める。


倉持の好みは2年生の中では周知されている。
色が白くて、背が低くて、華奢で、女の子らしい子。




部活ばっかりで日焼けしていて、背も160cm近くあって、野球やってたから華奢でもなく、おまけに女子力のかけらもない私は倉持の好みに何一つ当てはまらない。



不毛で絶望的な恋だと、私の気持ちを知っている人なら誰もがそう思うだろう。

というか、自分でもそう思う。



天地がひっくり返らない限り、倉持が私のことを見てくれることなんてあり得ない。




サチが何か言おうとして口を開くと、それに被せるかのように唯が「あっ」と声を溢した。



「なに?唯、どうかした……って…」



廊下の方を凝視する唯に問いかけつつ、サチも廊下に視線を移す。

私もサチに倣って廊下に視線をやった。



そこで、サチが言葉に詰まった理由がわかった。





倉持がいた。


いつも一緒にいる御幸は居なくて、かわりに倉持の隣には知らない女の子がいた。



だけど特に親しい様子ではなく、無言のまま私たちのクラスの前を通り過ぎていく。


倉持の左側を歩く女の子は日焼けを知らないような白い肌をしていて、それと対照的に頬や耳は赤く染まっていた。





それを見てこれからのことが分からないほど、私は鈍くない。




「A、きっと……」


「大丈夫だよ」



サチが心配そうに声をかけたけど、それを遮って私は笑った。




「倉持、モテるのは知ってたから」




うまく笑えているか、自信はなかった。


だけど唯が泣きそうな顔をしていたから、きっとうまくは笑えていなかったのだろう。


 

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マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです 丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年8月15日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マカロニ | 作成日時:2020年7月24日 12時

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