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Aside
『体が鈍ってないか…心配だ』
アリス「いつもそうやって御託並べちゃってさ。強いくせに」
懐かしい、女性らしいシルクの様な白い肌の綺麗な手で、血と泥で痛んだ髪を撫でてくれる。
『あたし、もう子供じゃないんだけど』
アリス「私から見れば充分お子様ですよ?w」
『そっ、そんな事有りません!!』
アリス「ほら。いじけるし、直ぐ敬語に頼る」
『うるせーよババァw』
アリス「はいはーい」
軽く流しやがって。
動いてアリスの頭を叩こうとすると、両手首を捕まれ、そのまま戻された。
動いちゃダメ。
なんて、言われたし。
今、我々の国は、国民は、軍人達は、幹部は…そして、総統様は…どうしているのだろうか。
アリス「貴方が其処まで感情移入するなんて。よほど凄い国家なんだね」
『そりゃぁ、もう。祖国なんか比べモノにならない位だよ!』
アリスと私の祖国は、『我々』に滅ぼされたものの、心の中に…害悪として、存在し続けている。
忘れたい、忌々しい記憶しかない…最悪の国家。
滅ぼされて正解だ。
アリス「戦争が終わり、一週間もの…日がたったけれど……。Aの傷は未だ治らず、雨は止む事を知らないわ……散々ね。」
『戦争は、何も生まない……』
彼は、そう言っていた。
あたしの意見は違ったけれど、何処か…その言葉に納得してしまう節があった。
戦争は、奪い取る。ものであり、0から何かが生まれるわけでは無いのだ。
あの戦争を突如思い出す。
ゾムが、あたしの失態で目の前で殺られた。
あれ。
その後は……。
『あたし、何したっけ』
アリス「……忘れた?」
『うん。気付いたら……此処に居た……』
ハァ、と深い溜め息が聞こえてくる。
そんなに、忘れられない様な事をしてしまったのか?
アリス「……殺戮兵器。私には、そう見えた。」
殺戮、兵器。
ーーー君には、分からないだろう?
ーーー命の尊さ、大切さを。
ーーー彼が死んでも…涙一粒流せなかったもんな?
『あたし…帰れないや……』
気付いてはいけなかった。
足を踏み込んではいけなかった。
あたしは…合わせる顔がないって事に。
気付けば良かった。
彼女が口元を歪ませた事に…
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し - 一気更新お疲れ様です。……………書きます。(意味深 (2017年9月19日 20時) (レス) id: f5af2860e4 (このIDを非表示/違反報告)
サイコ狩り - 緑月翡翠さん、ありがとうございます!多分、そうですね…ガウァガウァですね。調べておきます!貴方様の作品が大好きなので嬉しいです!コメントありがとうございました! (2017年8月17日 21時) (レス) id: 1ecebe046d (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - あの、すみません。黒の宝石でしたらおそらくヘタマイトではなくヘマタイトだと思います。 (2017年8月17日 13時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
サイコ狩り - モノモノさんありがとうございます!そうですね、二重人格っぽい夢主ちゃん何となくサイコっぽいんですよ!(自分の手がそうさせるんだ。)是非、設定を付け足しておきます!もう一度申し上げます。ありがとうございまs…… 文章はここで途切れている。 (2017年8月16日 15時) (レス) id: 1ecebe046d (このIDを非表示/違反報告)
モノモノ - 面白いです!応援します!あの、設定のことなんですが夢主ちゃんに戦闘狂とかサイコとかって付け加えれないですかね?(脅威さん落ちなんで、ひたすら性格を近づけたいだけ)できれば、でいいリクエストです。 (2017年8月16日 7時) (レス) id: e9b24811de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイコ狩り | 作成日時:2017年8月12日 4時