ヘマタイトの瞳は…【wrwrd】

25欠片目 ページ28

ｷﾖ、ﾌｼﾞ「「こくお〜〜」」



？「はぁ〜い」

え？
かなり古典的な呼び方だったのに来たぞ？うせやろ？！

ﾋﾗ「ヒラヒラヒラ〜押忍！おらヒラ！」

ｿﾞﾑ「どんな自己紹介やねん」

『よ、宜しくお願い…します……』


強い国は個性的な人が集まる。はっきり分かるんだね。

ﾋﾗ「ﾝﾌｯwwやぁ、よく来たね。遥々ご苦労様。そちらの方は？」

『我々国に入隊しました。幹部のA・ヘマタイト、と申します。』

ﾋﾗ「ヘマタイトちゃんかぁ…凄い名前だね！」

『ありがとうございます』

凄い名前の、凄い…がよく分からない。
何が凄いのだろう。


ｿﾞﾑ「…本題入るで。我等の総統様からの頼みや。戦争に参加せい、やって」

『参加した暁には、褒美を出さなくもない……との事です。』

唐突に始まる交渉に驚いたが、どうにかついていけた。






ﾋﾗ「うん、いーよ」


……え、軽っ！！

ｷﾖ「よっしゃ。サンキューヒラ」

ﾌｼﾞ「うわぁー…嫌だなぁ……」


ｿﾞﾑ「よし。何か伝える事ある？」

ﾋﾗ「んー…あ、新作スイーツ出たから今度来てーって伝えておいて」

ﾌｼﾞ「鬱先生へ。女子達が待ってる。」

ｷﾖ「どうでも良いから一戦殺ろ」


ｿﾞﾑ「ええで。A。先に帰って伝えててくれん？」









『……はい』

戦争の話で、こんなに緩やかな空気な事、生まれてから一度も体験した事がない。


それでも、足は帰路を辿っていた。





「ーーけ、て」


暗闇から声がする。何処からか、微かに聞こえてくる。

「たーーけ、てーーー」

た、け、て…？たす、けて……助けて？！
急げ、助けを乞う人がいる。
深い森の奥を通る人など、無いに等しい。



『此処か……！！』

長い草を掻き分け、声のする方へと向かうと…見たことのある人が、倒れていた。








『ア…アリス……？！』

ｱﾘｽ「……あ…A…」

あたしの名前を呼ぶと、カクンッと力が抜けた。

あたし、一生懸命探したんだぞ？
何故、こんな場所に居るんだよ。
何で今、全てがボロボロなんだ？


なんで、今、死にそうなんだよ。



『絶対、死なせないからな…！！』



アリスの傷は、あたしの傷。
痛みは二人で分けあおうと誓った。
だから、あたしは。



アリスの傷の過半数を…自分のモノにした。



『ぺ神！怪我人の手当て準備！！』

ぺ神[へっ…？！わ、わかった〜]


やっと、見つけたんだ。

戦争なんて、実際問題どうでもいい。
腕の中の、彼女さえ要れば。

26欠片目→←24欠片目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す