丗壱ノ炎 ページ33
身体がろくに動かない、毒の耐性なんて私にはあるはずもない
呼吸で毒の巡りを遅くする程度しか私にはできない
宇髄さんは死なない程度で戦えって言ったけれど、今の私が戦えば足を引っ張る
人質に取られてしまえば、もう最悪だ
ここから離れるのが最善かもしれない
毒の巡りはまだ侵食して間もない、これ以上侵食してからは動けない可能性がある
私は全集中の呼吸を精一杯に利用し外に出た
鴉に援護要請、救助要請を求め少し離れた建物の傍に腰を下ろす
意識が朦朧として視界がぼやつく
私はそのまま意識を手放した
・
・
・
意識を手放したはずの私はどこかわからない場所いた
どこか懐かしい雰囲気がする、温かい
煉獄「…A」
『兄上…?』
兄の声がして振り返る、兄の姿がしっかりと見えた
最愛の兄の姿に身が震える
思わず手を伸ばした、足はどんどん兄の方へ向かっていく
しかし、もう少しという所で炎によって阻止された
…なんで、兄に会えたのに
『何、この炎…これじゃあ行けないよ』
この炎の正体は何だろう、触れても熱くなかった
それよりも心地いい
煉獄「戻りなさい、まだ来るには早すぎるだろう?
それに父上と約束したはずだ、必ず帰ると
いつか必ず会える、まだこちらに来てはいけない」
厳しく兄はそう言った
昔からそうだった
時に厳しく時に優しく諭す姿は母親のようだと思っていた
兄の言葉にはっとする
私はまだ何もできていないのだと、兄の仇もとれずにここに来てしまったことを
戻らないといけない
『…そうだ、、私…帰ります
今はまだ、さようなら兄上……母上』
戻るために振り返る直前、兄の隣に優しく微笑む
記憶の端に眠っていた母の笑顔が見えた
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烏璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております。本当に面白かったので今後も応援しています。番外編も小説になったのなら是非読ませていただきたいなと思う内容でした。楽しみに待っています。頑張ってください。 (2019年11月12日 22時) (レス) id: f27bf2df20 (このIDを非表示/違反報告)
為人(プロフ) - ありがとうございます!!!語彙力フル活動で頑張ります!! (2019年11月11日 19時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ3。(プロフ) - わぁぁ!!好きです!! こういう作品大好きなんです!!応援してます!! (2019年11月11日 17時) (レス) id: 57e27a7918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:為人 x他1人 | 作成日時:2019年10月27日 19時