虎の少年は死神と呼ばれた少女と出逢う (ページ24)

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23.舞踏会のはじまりページ24

なんやかんやあって。

あっという間に舞踏会当日となった

『えーっと...これでいいんですか？』

私は今、舞踏会用のドレスを身に纏い、会場近くで芥川と一緒にいる

というのも、だ

私はそもそも、貧民街で生まれ育ったためこんな豪華な場所とは無縁だ

この日のためにある程度の礼儀作法も学んできたのだが...

芥「嗚呼。問題ない。」

私が今来ているドレスは芥川が選んだもので、動きやすいように、と丈が短めのシンプルなドレスになっていた

且つ、今回はただの舞踏会ではなく、“仮面舞踏会”なので私も芥川も目の部分のみ隠せる仮面を付けている

芥「一点のみ記憶せよ。
僕らは潜入捜査で来ている。
できるだけカップルのふりをして怪しまれないように。」

行きの車の中でそう云われたものの、

なんだろ、私が行くべきではなかったような気がする...

ガチャリ、と重々しく会場の扉が開く

『...かなり、豪華な会場ですね。』

入ってすぐ目に入る、豪華なシャンデリアに気品のある人々...

ぶっちゃけ、私にはこういう所は向いていないと思う

暫く会場を見て回り、芥川は口を開く

　

芥「...もうすぐダンスが始まるだろう。
貴様、踊れるか？」

『ええ、まあ。大体は。』

私がそう云うと芥川はそうか、と云い、お互い沈黙した

暫くして、ぱっと電気が消え、ステージにのみ照明がついている状態になる

ステージには豪華なドレスを身にまとった女性がマイクを手に立っていた

「お集まりの皆様。今宵は、我が主催の仮面舞踏会にどうぞ、おいで下さいました。
日々の疲れを癒やすとともに、目一杯楽しんで下さいませ。」

...派手な年増だなあ

香水臭そう

一番に出てきた感想がそれだった

芥「行くぞ。」

そう云われ、私は芥川と共に会場の中心へと向かった