虎の少年は死神と呼ばれた少女と出逢う (ページ3)

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2.死神と呼ばれた少女ページ3

敦side

敦「此処か...。」

僕はその死神が出るという貧民街の路地裏に来ていた

路地裏は暗く、よく目を凝らさないと周りが見えなくなる程だった

敦「...見たところ誰も居ない。
もう少し奥か...？」

そう呟き、僕は奥へと足を運ぶ

そんな時だった

ドンッ、

僕は誰かにぶつかった

敦「っえ...！
あ、す、すみません！」

後ろを振り向き、ぶつかった相手を見る

それと同時に僕は息をのんだ

敦「！き、君は...！」

彼女は光のない瞳で此方を見る

『...貴方、誰です？
どうして私の事を...？』

僕がぶつかったのは国木田さんから言われていた危険人物だった

写真で見たとおりの容姿をしている

敦「君が最近この辺りで殺人を起こしてる...？」

『...A。そうですか、ひょっとして貴方、警察関係の何かですか？』

そう言ってAは僕から少し距離を取った

その動きから察するによほどの手慣れだと分かる

敦『僕は中島敦。武装探偵社の社員だ。』

そう云い、僕は彼女に近づこうとした...が

『来ないでっ！』

敦「！？」

Aがいきなり叫び、僕は思わず足を止めた

『私に三回近づけば貴方は死んでしまいます！
これ以上、私は人を傷つけたくない！だから...

僕に、近づくな...！』