虎の少年は死神と呼ばれた少女と出逢う (ページ12)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:23,278 hit

11.ポートマフィアページ12

あの後、私たちは順調に依頼を進め、終わりに近づいていた

「次が最後よ。
...にしても、あなたたち、優秀ね。直々の護衛にしたいくらいだわ。」

そう云いながら女性は車を止める

「さて、行きましょうか...」

敦「！伏せてください！！」

敦くんのその言葉を合図に辺りに銃声が鳴り響く

『...これって！』

「...っ、ポートマフィア...！」

窓の隙間から様子をうかがう

いつの間にか黒い車が周囲を包囲されていた

そんな中、一人の男性が出てくる

其奴に見覚えがあった

(あれって...指名手配犯の芥川龍之介...！)

一度、掲示板で顔を見たことがあったのだ

『...鏡花ちゃん、此処は私と敦くんで抑えます。その間に彼女を安全なところへ...！
今なら路地裏周辺は包囲されてないはずです。』

私が小声でそう言うと、鏡花ちゃんは暫く黙った後、考えがまとまったのか頷いた

泉「了解。」

鏡花ちゃんが立ち去ったのを確認し、私と敦くんは前に出た

芥「人虎と...見ない顔だ。
...貴様、新入りか。」
　

ギロリ、と芥川は私を睨む

然し、こんなの見慣れた光景だったため、少しも怯むことはなかった

『はじめまして。
私はA。以後お見知りおきを。』

私はレイピアを抜き、相手を見据える

芥「...手慣れか。僕は芥川龍之介。
然し、僕らの狙いは、貴様らが護衛していた女性だ。」

ちらり、と車の方を見た

鏡花ちゃんたちはもう既におらず、少し安堵する

敦「どうしてあの人を...」

芥「彼奴はポートマフィアの元情報員だ。
外部に情報を漏らした“裏切り”として、今、僕らが追っている。」

キッ、と芥川から殺気が溢れ出す

芥「これ以上、彼奴を庇うのなら...
貴様らを殺す...！」