シスコン☆ドクター。３〈橙〉

story129 ページ40

隆平side




ほんまはこのまま家におれたら
ええんやけど…。


今日は午後から患者さんのご家族との
ICが入っとるねん…。


仕事が忙しいらしくて
やっと今日無理して休み取って
来てくれはるから、
僕が行けませんなんて言えへん…。


隆「A、ごめんなぁ…

隆くんもう行かな…。

なるべくはよ帰ってくるからな。」


「んっ…ｸﾞｽｯ………

りゅうくん……行っちゃうの…？(涙)」


あぁ……もお……
そんな悲しそうな顔せんといて…。


僕が何も言えずに黙ってると、


「ｸﾞｽｯ…うそだよ……りゅうくん……

おしごと……行って…？^^」


隆「A……。」


僕、困った顔してたんかな…。


こんな苦しんでる妹に
気ぃ遣わせてもうた…。


でも行かなあかん。


先輩に相談して、IC終わったら
はよ帰してもらお…。


隆「ごめんな、隆くん行くな。

絶対はよ帰ってくるから…。」


「うん……いってらっしゃい……^^」


Aの布団をかけ直して
昼休みの時間もヤバいから
急いで病院まで戻った。





隆「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」


松「どうしたんだ、マル。

そんなに慌てて(笑)」


医局に入ると、ちょうど休憩中の
松岡先生が。


隆「一回家に帰ったら、

病院に戻ってくるの休憩時間ギリギリに

なってしもうて…^^;」


松「家帰るなんて珍しいな(笑)

忘れ物か？(笑)」


隆「いえ……

実は妹が熱出してまして…。」


この際だから早く帰れるように
相談してみよ。


松「妹って…Aちゃん、だっけか。

一人にして大丈夫なのか？」


隆「はい…。

それがどんどん悪化してる感じで…

一応点滴して来たんですけど。

あの……ケントくんのご家族との

ICが終わったら、早めに帰っても

ええですか…？」


松「おう。帰れ帰れ。

何ならIC代わりにやってやろうか？」


隆「いえっ、それは僕がやります！

ケントくんの主治医は僕ですし…。」


松「そうだな…。

ご家族もマルのこと信頼してるしな。

他の仕事は残してっていいから。」


隆「すいません…。

ほんまにありがとうございます！」


"今度ラーメンおごれよ！笑"なんて
言って笑ってる松岡先生。


ほんまいい先輩や…。


ラーメンなんていくらでもおごらせて
いただきますわ…。


よっしゃ、ICの時間までに
できる限りのことやってこ。

story130→←story128

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す