シスコン☆ドクター。３〈橙〉

story128 ページ39

隆平side




熱で苦しんでる妹を置いて
仕事に行くなんて…。


いや、連れてってもいいんやけど、
Aにとってはお家におったほうが
ええやろしな…。


できるだけ水分は取ってほしいから
枕元にスポーツドリンクを置いて
後ろ髪を引かれる思いで出勤。


なるべく12時ちょっきりに
お昼休憩に入れるように
いつもより集中して仕事をする。


ちょっと過ぎてもうたけど
12時半くらいに休憩に入れて、
急いで白衣から着替えて
必要なものを鞄に詰め込んで
家に帰った。


少しでも食べれたら…と
コンビニで買ったゼリーを持って
2階のAの部屋へ行く。


隆「A〜…ただいま〜…」


「んっ……ケホッケホッ……

りゅ……くん………おか……り…。」


ベッドの上のAは
朝よりかなりお熱が高そう…。


隆「冷えピタ、もう熱いよな。

今変えたるからな。

ちょっと頑張ってお熱はかろ。」


朝は素直に受け取ってくれた体温計も
今は受け取ってくれへん…。


隆「ちょっとごめんなぁ…。」


代わりにパジャマのボタンを外して
脇に挟んで軽く腕を押さえる。


音が鳴って取り出すとなんと38.6℃…。


「はぁ……はぁ………(涙)」


隆「しんどいな…。

このままもしもしさせてな〜」


「んんっ…やぁ…っ……ｸﾞｽｯ…(泣)」


お熱のせいかちょっと幼くなっとる。


でも抵抗するにも全然力が入っとらんから
聴診器を滑り込ませてそのまま聴診。


Aは喘息持ってるから、
熱に誘発されて発作が起きたら大変や。


でもとりあえず喘息は大丈夫そうで一安心。


隆「A、ゼリーさん食べれる？」


「…んーん……いらない…。」


隆「まだ喉、痛い？」


「ｸﾞｽｯ………んっ…(涙)」


喉が痛いから飲み物を飲むのも
辛いんやろな…。


枕元のペットボトルも飲んだ形跡はない。


経口摂取できへんのやったら
点滴で入れてあげるしかないな…。


隆「A、ごめんな。

一回だけチックン頑張ろ。」


そう声をかけながら
駆血帯を巻いて消毒をして
素早く針を刺す。


「いやっ……ったい…(泣)」


隆「偉い偉い^^

お利口さんに頑張ってくれたから

もうチックン終わったで〜(撫」


「んっ…ﾋｯｸ……ｸﾞｽｯ…(泣)」


ほんまやったら大声で泣いてるとこ。


喉痛くて声も出せへんのやろか…。


水分補給の輸液の他に抗生剤も繋いで。


これで少しでも楽になると
ええんやけどな…。

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