神山くんと恋をする。3

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「Aその時計可愛い〜！」



「でしょ？ともくんにもらったの。」



「Aも神山くんに時計あげてたよね？
なんだか２人を見てると微笑ましいよ。」




そう言って微笑んでくれる七瀬と
今日は仕事帰りに飲みに来ている。




「ありがと。けど今日は七瀬の話聞きたい！」



「……うん。」




いつも元気な七瀬だけど、桐山先輩の話になると
突然女の子の顔になる所がとても可愛い。




「誕生日前日にイルミネーション見に行って。
その後お洒落なレストランでご飯食べて泊まったの。」




「プロポーズは？？」




「誕生日の昼過ぎにはアパート着いて、
2人で夕ご飯作って食べた後自然な流れで
結婚しようって言われた…。」




お酒も回って来たのか真っ赤な顔の七瀬。
桐山先輩と付き合いたての頃の
七瀬を見ているようで少し懐かしい。




「七瀬かわいい〜〜〜！！！
本当におめでとう！！私まで嬉しいよ！！」




七瀬に抱き着くと、七瀬は肩を震わせて泣き出した。




「照史、Aに相談してたんだよね？
親友のAにも協力してもらったなんて
なんか私幸せだな〜って思ったら泣けてきた…」




小さな声で呟いて私にぎゅっとしがみ付いた後
私から離れて泣きながら笑顔を見せてくれる。




今まで色んな七瀬を見て来たけど
こんなに幸せそうな七瀬は初めて見る。




「ちょっと！なんでAまで泣くの？？」




「ごめん…なんか感極まって…。」





人の幸せが嬉しくて涙が出るなんて初めてで。
なんだか心が温かくなった。





「聞いたと思うけど、4月から博多に異動なんだって。」




「うん。寂しくなるね。」




「Aに会えないのも、家族と離れるのも
本当に不安しかないし寂しいんだけどさ。
照史に着いてく事に決めたよ！！」




「七瀬なら大丈夫って思ってる！
いつでも電話して来てね！」





やっぱり七瀬は強いししっかりしてる。
もし、私が同じ立場だったらどうしただろう。




ともくんも総合職だから転勤があるけど
どうなるか想像できないな〜なんて。





「あと3ヶ月だからね。これから忙しくなるよ。」





そう言う七瀬は笑顔でとても幸せそう。
やっぱり寂しい気持ちは捨てきれないけれど
親友の門出だ、目一杯お祝いしたい。





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