疲れなくて、いいんだ。 ページ13
三人称だけど彩目線
______________
いきなり、彩の目の前に、光が差し込んだ。
「…わ……!」
突然の強い光に、思わず、目を閉じる。
………そして、
再び目を開けた彩の瞳に映ったのは、どこまでも広がる草原だった。
真っ青な空。
風に揺れる、青々と伸びた草。
頬を撫でる、柔らかい風。
暖かい、日の光。
ところどころに、透明度の高い、大小さまざまな池がある。
彩は、驚きで目を見張った。
ここは______
「驚きましたか?」
突然、背後から、声をかけられる。
驚き、すぐさま振り返った彩は、息を呑んだ。
目の前にいたのは__________
天使
そうとしか言いようのない、そう、それ以外に例え様のない風貌をした人物。
抜けるように白い肌。
金色の瞳。
長く、白い髪。
中世的な、まるでギリシャ彫刻のような、美しい顔立ち。
手には虹色のコスモスの花束を持ち、白い布を体に巻き付け、大きな、美しい白い羽を使い、宙に浮いている。
「こんにちは。私は、あなたを迎えに来たものです。」
天使は、彩の目の前に舞い降りると、すっと優雅な動機で跪き、その彩の手を取って、静かに口づけた。
そして、手に持っていた花束を、ソッと、彩の手に握らせる。
突然のことに驚く彩。
・
しかし、不思議と、心のどこかで安心感を覚えたのに気づいた。
ああ、やっと__________
彩の本能が、何かに気付く。
そして、安堵する。
そう…なのか。
_________。
何も、不安はなかった。
ただただ、安心した。
・
これで私は_______
もう、私は___________
・
様々な思いが、ぐるぐると、胸をかけめぐる。
「…やっ、と、___________。」
つまりつまり、言葉を発する。
天使は、顔を上げ、そして、驚いた。
彩の目から、ぽろぽろと涙が溢れ、そして、その端正な顔が、微笑んでいたからだった。
・
「やっと_____
もう_______
_____________疲れなくて、いいんだ。」
・
静かに、静かに涙を流し続ける彩。
そんな、目の前の、小さな少女を見て、天使は、苦し気に目を伏せた。
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美羽 - すごくおもしろかったです。 (2月6日 15時) (レス) @page50 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 涙が止まりません、!こんなに感動するいい話初めてです!これからも応援するので頑張ってください! (11月5日 13時) (レス) @page50 id: b10f41175b (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - ものすごくいい話だと思います。途中で、涙が出て止まらなくなってしまいました。こんなにも感動する話を書けるなんてすごいと思います。全力で応援するので、頑張ってください! (2023年3月11日 20時) (レス) @page50 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 涙の止め方…誰か教えてください……(´;ω;`)ウッ… (2022年7月20日 9時) (レス) @page50 id: 7969a82418 (このIDを非表示/違反報告)
小三 - 後半涙が出てしまい止まりませんでした。面白い?というかなんだろう。感動してしまう作品ですね。 (2022年4月19日 18時) (レス) @page50 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
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