一話/ 人生万事塞翁が虎 ページ1
Aは川辺を歩いていた。
その出で立ちは髪の長さ、色と同じ地面に擦れるくらいの高級そうな黒外套を見に纏い、そこから靴も何も履いていない白い脚を見え隠れさせているという
「この辺りの筈なのに……居ない」
Aは人を探していた。
二週間程前に顔を見たのが最後の、白髪の少年を。
「矢っ張り虎の噂なんて辿って……」
そこまで云ってAは動きを止めた。
自分の瞳に映るものが信じられないとでも云いたげな顔をして。
たっぷり十秒、Aは呼吸さえも忘れて
「ーーーー」
先ずAの瞳に映ったのはずっと探していた白髪の少年だった。
少年ーー中島敦は孤児院を追い出されてからろくに飯にありつけていないのか、二週間程前よりもやつれて見えた。
「ーーーー」
次に目に入ったのはその敦が川から引っ張り出している男であった。男は砂色の外套に身を包んでおり、そこから見えている手足をだらんと下げてぐったりとしている。
「ーー?ーー?」
何とも不可解なこの状況に混乱し乍らも、Aは恐る恐る敦に近づいていった。
92人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ!!!さん» 米有難うございます励みになります!!!初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに!!有難うございます!!! (2022年2月7日 9時) (レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ!!! - ウワァ、、好き、、もっと評価されるべき!更新待ってます!!! (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:女中 | 作成日時:2021年12月4日 16時