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それから私は城戸さんと忍田さん、メディア対策室長の根付さん、開発室長の鬼怒田さんと挨拶をして部屋を出た。
しんとした廊下を歩く。2人分の足音が静かに響いていた。
「上層部にはもう少し人がいるけど、今ちょっと席を外してるんだ。また後で挨拶に来ようか」
ちなみに、と迅が話を続ける。
「林藤さんは支部長やってるよ。今はちょっと用事があっていないけどね」
「支部長？」
迅が足を止めて、私へ体を向ける。思わず私も一緒に足を止めた。
「俺らが前に住んでたところが今の玉狛支部だ。そこの支部長をやってる」
「玉狛支部……」
「……Aは俺達と一緒に来る？」
少し声のトーンを落として迅は私に問いかける。
「どういうこと？」
「ボーダーの所属先だよ。俺は玉狛支部所属。大体はこっちの本部だけどね」
迅はほんの少しだけ憂いを帯びた表情を浮かべた。
「Aがいなくなってからすぐ、大規模侵攻があったのはどこかで聞いた？」
「……ここに来るまでのニュースとか雑誌で」
三門市が近界の侵攻によって壊滅的状況になりそうになったというあの出来事のことだ。かなりの犠牲者が出たと知識として知った。その出来事を目にした時、私は目の前が暗くなったのを覚えている。ただその時にボーダーは活躍し、ここまで大きくなったのだ。
「アリステラの時、最上さんとか、Aも含めて俺たちの中でかなり人が減った。それからすぐの大規模侵攻」
「……迅？」
「何度も悔やんだよ。未来視のサイドエフェクトがあるくせに師匠もAも助けてやれなくて。それに大規模侵攻でも市民の犠牲者がでた」
暗涙に咽ぶように。過去に戻れたのならと何度も何度も悔やんでいたんだろうか。5年の間に迅は大きなものを背負い込んでいた。
大丈夫だよ、A─────
迅のその言葉が頭をよぎる。暗い水の中から一筋の光が見えるような感覚。その光の先に迅がいたから。
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鏡 - なぎささん» なぎささんコメントありがとうございます！好きと言って頂けるだけでありがたいのに5回も読み直して頂けるなんて恐縮です…！本当に本当にありがとうございます！嬉しすぎて泣きそうです…不定期更新でご迷惑お掛けしますがこれからも頑張りますね！ (2022年10月1日 20時) (
レス) @page49 id: 79e67df0bc (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 更新ありがとうございます！この小説が好きすぎて5回は読み直しました...これからも応援しております🥳ご無理のない程度に頑張ってください！ (2022年9月30日 20時) (レス) @page48 id: 0fe7f18098 (このIDを非表示/違反報告)
鏡 - 璃々さん» コメントありがとうございます！手探りで進めているようなお話ですが面白いと言って頂けて本当に嬉しいです！続きも待ってくださるなんて本当に嬉しすぎて転げ回っております…本当に励みになりました！不定期更新で申し訳ないですがこれからも更新頑張りますね！ (2022年7月30日 0時) (レス) id: e6b083c4a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - コメント失礼します！近界から帰ってくるっていう新しいタイプのお話ですごく面白いです！！！夢主の実力がどのくらいかとかほんとに気になって仕方ないです…続き楽しみに待ってます！頑張ってください!!! (2022年7月29日 19時) (レス) @page31 id: e950c5fcca (このIDを非表示/違反報告)
鏡 - ゆん。さん» コメントありがとうございます！世界観にハマるだなんてとてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます！私もゆん。様のお言葉に励まされ飛び上がって喜んでおります…！これからもちょこちょこ更新しますのでどうぞよろしくお願い致します！ (2022年7月15日 12時) (レス) id: d84ec32568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡 | 作成日時：2022年6月30日 2時
