Melty sweet honey sugar.【YG】 (ページ16)

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YG「色々不安だろうけど…大丈夫だから」

独り言みたいに、先生はぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。

YG「お前は絶対俺が治す」

「…えっ？」

今まで一度も目を合わせようとしなかったのに、しっかりと私の顔を見てそう言った先生。
驚いて目を丸くしていると、先生は眉をひそめて少し不機嫌そうな表情になる。

YG「なにびっくりしてんだよ。俺じゃ当てにならないのか？」

「いえ、そういう訳じゃ…」

だってお医者さんって、絶対なんて言っちゃダメなんじゃないの？
私は口を開きかけたけれど、ふいにカーテンの隙間から射し込んだ月の光に照らされた先生の横顔がぞっとするほど綺麗で、言葉を失ってしまった。

YG「だから余計なことばっか考えてないで、もっと前向きなこと考えてろよ。元気になったら行きたいところとか」

「行きたいところ…」

YG「そう。どっかねぇの？」

「…海、とか」

YG「海ね。いいじゃん」

「ユンギ先生が連れて行ってくれるの？」

YG「え…俺？」

今度は先生のほうが目を丸くする番だった。
案外ころころ変わるその表情に気を取られているうちに、いつの間にか自分が泣き止んでいたことに気付く。

YG「まぁ、覚えてたらな…」

「そんなのダメだよ。約束して」

YG「わ、わかった」

「絶対だよ？」

そう言って指切りの形にした右手を差し出すと、先生は戸惑ったように視線を泳がせながらも、私の小指に自分の小指を絡ませてくれた。