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第24話 オリ主side ページ27

私は公平とラウンジへやって来ていた。

「奢るよ、話をさせる分。」

「いいよいいよ、それくらい。」

断ったが、押してくるのでやむを得ず奢ってもらうことにした。


食べながら話を進める。


「私の親は私のSEに理解があるって言ったでしょ?」

「そうだな。」


「それは私の両親が旧ボーダー隊員だからなの。」


「じゃあ、Aの両親はボーダーにいるの?」


私の両親は…


「死んだよ、お母さんは5年前に、お父さんは第一時大規模侵攻で。どちらも遺体は見つかってない。」


公平はそれを聞いて気まずそうな表情をしていた。慌てていやいやと手を振る。


「公平が気に病む必要はないよ。私が話すって言ったから。」

「ああ…悪いな。」


「お母さんは5年前に遠征でほら、最上さんとかもそれで亡くなったってあいつが言ってたやつ。それで死んだらしいの。その時は私は遠征行ってなかったから詳細は分からないけど。黒トリガーを作るとかの間もなく即死だったらしい。」


お母さんは銃手だったのだとか。私が射手なのは関係あるのかな?


「Aの親父さんは?」



「私のお父さんは……」


4年半前を思い出し怒りがこみ上げるが、それを抑え込む。


「あいつに、迅に殺された。」


「あの人に…殺された?!」



「迅は私に嘘をついて、私がお父さんを見殺すように仕向けたの。本人もそれは否定してない。
…ホント最低っ、最低だよ!」


「A…!」

突然机に置いていた手に温もりを感じた。


「え…?」


公平が私の手を握っていた。


「泣いてる。気づいてないかもしれないけど、泣いてる。」

「う…そ…。」

ぽとりと手の上に何かが零れた。


「涙…私が泣いてる…?」


そんな弱気になるつもりはなかったのに。

公平は席を立ち、私の横に来た。


「苦しかったよな、辛かったよな。仲間として気づいてやれなくて悪かった。話したい時は話せ、泣きたい時は泣け。俺とか太刀川さんとかが助ける。だから、今は泣けるだけ泣け。」


ぶわっと心の中から熱いものが溢れた。

「こうへいっ…バカ、ありがとうっ…うっ。」

「バカって何だよ。…まあいいや、泣け泣け。」

公平はしばらくの間、肩をさすってくれていた。

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ラッキー隊員

加古望


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ゆずポン酢(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます!気に入ってもらえて嬉しいです!今後も作る予定ですが実はワートリ以外のアニメはあまり分からなくて…これを期に時間があれば観たいと思います。お気遣いありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2017年8月14日 0時) (レス) id: db72870c64 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品で続きが楽しみですもし他の作品を今後作る予定ならワールドトリガーの世界にトリップか転生したアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さいね (2017年8月13日 16時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずポン酢 | 作成日時:2017年7月30日 0時

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