ネタ収集所 (ページ9)

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実録ページ9

ある日の放課後

困ったことになった

とある店に入るために停めていた自転車が、移動されていたのだ
正確には、その辺一帯に停めてあった全ての自転車が綺麗に整頓されていた

いや、整頓するのは良い事だよ？良い事なんだけどね？

数十台の自転車をギッチギチに詰めるのは止めて欲しい

しかも私の自転車はちゃんと整理して止めていた筈だ
周りのを整頓するついでに一緒くたにされた訳だ、なんてこったい

端から３番目に移動されていた私の自転車は、簡単には取り出せそうにない

仕方なく、周りの人の邪魔にならない程度に自転車を寄せる
２台寄せれば自分の自転車を取り出せるのだ、きっと出来る
大丈夫、出来るさ、出来る、出来ｒ……出来ない、寄せられない

本当に困った、そう思いながらも手を動かし続ける

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ、ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ……

一向に取り出せる気がしない自転車が憎い

と、そこに

「あの、大丈夫ですか？」

救世主が現れた

否、見知らぬ男子高校生である

「ﾍｧｯ!? ハイ!!大丈夫デススミマセンアリガトゴザマスｯ!!」

すぐさま人見知りを発動する私

そんな私の奇声に苦笑いをしながらも、なんと自転車を取り出す手伝いをしてくれる男子高校生

お連れの方が笑ってますよ見知らぬ男子高校生さんよ……

「あー結構きついですね、よっ、と……これで取り出せそうですか？」

「ア、アア有難うございますホントすみません！」

かくして、無事に自分の自転車を取り出せたのであった

なんて優しいんだ見知らぬ男子高校生

「ﾋｭｩ～♪」

お連れの方が口笛吹いてますよ、メッチャ上手いなオイ
これまで聴いた中でも３本の指に入る上手さですよその口笛

「バッカおま、茶化すなって！」

年相応に焦って声が荒くなる見知らぬ男子高校生

「すみませんこんな奴で……、でも悪い奴じゃないんですよ」

何のフォローですか見知らぬ男子高校生

大丈夫ですよ気にしてませんよ、寧ろ気にする余裕がありませんよ
こちとら未だに内心グルグル感情追いつかないコミュ障ですから

「あっ、自転車も取り出せたことですし、俺たちはこれで！」

若干頬が赤いままに、爽やかに走り去って行った

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お礼くらい言わせてくれたっていいじゃないか

そんなに急いで行かないでくれよ