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「ごめんなさい。」

先生は小さくそう呟いた。

「私があの人を見たのは一度きり。それもう十年も昔の話なの。」

それを聞いて私は視線を落とした。少し走っただけなのに、私の靴は土埃に塗れていた。

「名前も出身も、何も聞かなかったわ。彼女とは任務の時にすれ違っただけだったから。」

先生は自分の指に触りながらそう言った。

「任務。」

私は先生の言葉を繰り返した。

「その人は、呪術師、だったのです、か?」

「ごめん。それもわからない。」

先生は悲しそうな顔のまま言った。

「窓だったのかもしれないし、呪術師だったのかもしれない。ただ、あの場所にいたからには関係者だったのは確か。」

先生の説明は雲のようで、新しい情報があるようでないような物だった。私もその場にいたら、なんて実現不可能な妄想をしてしまうくらいには、中身のない話だった。

「でも。」

そう言って、先生は私の顔を見た。

「あの人の容姿は今でも覚えてる。あなたと同じ、眩しいくらいに輝く金髪の持ち主だった。」

先生はそう言って、私の髪を見て薄く笑った。その目には太陽光に反射して、キラキラと光る私の金色の髪が映っていた。

「お、なじ。」

それを聞いて、私はようやく、先生が見た人物は私の母親だったのかもと思えた。だって、小松家にも村の外にも、私と似た見た目の人間はいなかったから。

私はキャップをかぶるためにおろし、三つ編みにしていた自分の髪に触れた。

「そう、ですか。」

私は自分の髪を太陽光に透かした。これと同じ髪を持つ女の人、この髪をくれた人間が、どこかにいたんだ。そしてその人は私と同じ、呪術と関係があるかもしれない。そう思うと、呪術師になったのも無駄じゃないと思えた。

「ありがとう、ございます。」

私が例を言うと、先生は首を横に振った。

「礼を言われるほどのことはしてない。それに昨日の私はあまりにも不躾だった。ごめんなさい。」

そう言ってから、先生は「あ、でも。」と付け加えた。

「貴方も人間相手にいきなり術式を使うなんてもうやめなさい。本当に心臓止まるかと思ったんだから。」

先生の言葉に私は少し考えてから、笑った。

「ふふ、はい。善処、します。」

先生はそんな私を見てため息を吐いた。

「ああ、貴方なんか苦手だと思ったら、五条に少し似てるのね。」

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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