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「の、ば、らー。」
コンコンコン、とドアを三回ノックしてから私は扉を開けた。
「A!」
野薔薇は私を見つけるとすぐに駆け寄ってきた。
「大丈夫?!」
「う、ん。」
私はにっこりと笑った。
「私は、平気。野薔薇も、ちゃんと、生きてる、ね。」
野薔薇の頭に貼られた白いパッドに触りながらそう言うと、野薔薇は笑った。
「アンタはいつもそれね。心配しなくてもそんな簡単に死んだりしてやらないわよ。」
野薔薇は軽快に笑いながら、そう言った。そんな野薔薇の背後で虎杖くんと伏黒くんの頭が見えた。
「あ。」
私は二人にも笑顔を向けた。
「ふたりとも、おつかれ、さま。」
「おう!小松も元気そうで安心したわ。」
そう言う虎杖君の頭を野薔薇がこづいた。
「いって!」
「アンタ、誰のせいでAが気絶したのかわかってんの?!」
「わぁってるよ!」
なにやら言い合いをしている二人を他所目に、私はベッドの上に座している伏黒くんの足の上にピザが乗ってるのを確認した。
「あっ、ピザ!」
「小松も食うか?」
「ううん、だいじょう、ぶ!」
伏黒君に返事をしながら私は周囲を軽く見回し、そしてお目当てのものを見つけた。ベッドの傍に置かれた黒い液体入りのペットボトルだ。
「コーラ!」
私が指差したのを見て、伏黒君は「ああ。」と呟いた。
「こっちがいいのか。腹は?」
そう言いながらも伏黒くんは新しいカップとコーラ入りの2Lのペットボトルを渡してくれた。
「減って、ない。」
プシュッと小君のいい音を聴きながら、蓋を開け、プラスチック製のカップにコーラを注いだ。気泡がシュワシュワと昇っては始めるのを見て、私は緩く笑った。
「でもオマエ、午前にぶっ倒れてから何も食ってないんじゃねーか?」
「だいじょう、ぶ、だよ。」
私はコーラを元の再度テーブルの上に置き、カップに口をつけた。このシュワシュワの泡が口に当たって弾ける感覚が、たまらなく好きなのだ。
「Aはいっつもそうなのよ。」
野薔薇はベッドの横の椅子に腰を下ろしながら呆れ顔で言った。
「コーラとか炭酸水とかばっかり飲んで、あんまりご飯は食べないの。」
「不健康じゃね?それ。」
そう突っ込んだ虎杖君に、野薔薇はすかさず「伏黒にピザとコーラ持ってきたアンタが言うな」、とツッコミ返した。
「でもA、こんな時くらいちゃんとご飯食べないと、将来病気になるよアンタ。」
野薔薇はそう言ってピザを一切れ持ち上げた。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時