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数時間後、ついにたどり着いてしまった東京、原宿。

かの有名な竹下通りの入り口で野薔薇と私は立ちすくんでいた。いや、立ちすくんでいるのはきっと私だけだ。隣の野薔薇の目は、キラキラしていた。

坂の入り口から見下ろせる、数え切れないほどの人の頭。こんなにたくさんの人は見たことがない。うちにあった人形の数倍はいらっしゃる。そしてそのうち何人かはすでにこちらを見ていた。

その目が怖くて、私は自分の手を握りしめた。

「野薔薇、行きたいとこ、あるなら、早めに。」

クレープでも洋服屋でもなんでもいいから、とにかく動きたい。何もしていないと気が狂いそうだ。

「りょーかい!それじゃあさっそく、いくわよ!」

私の呼びかけに、野薔薇は元気よく答え、私の手を握った。それだけでだいぶ気持ちが楽になる。私はほっと息を吐いて、二人で人混みの中へと足を踏み入れた。

竹下通りで何軒か野薔薇の目に止まった洋服屋に入り、靴を見たり服を見たりする。野薔薇は終始楽しそうだ。カラフルな洋服たちをラックから手に取り、自分の体にあてたり、私にかざしてみたり。

私はすでに服を何着か持っているし、洋服はあまり好まないので買うことはなかったが、短い時間内に野薔薇はすでにいくつか紙袋を脇に抱えていた。

「野薔薇、持つ、よ。」

「いいのよ。これは私が買ったんだから。ていうか、あんたの方が荷物多いじゃない。」

野薔薇は私が持つ古い革製の大きなトランクを見てそう言った。

「重くない、から。片手でも持てる。」

「あんたならそうだろうけど、それだと私があんたを使いパシリにしてるみたいじゃない。」

「そう、かな。」

野薔薇は優しいな、なんて考えていると野薔薇が勢いよく振り返り、通りの向こう側にいる男性に目を向けた。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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