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「さ...、は……よ…か。」

誰かの声を聞いて、私はゆっくりとまぶたを持ち上げた。

目を何度か瞬きすることで乾いた目を潤し、状況を探る。正面には規則的に並べられただけの木の板が浮いていた。それが天井だと気づいた私はゆっくりと首を動かした。

『開始1分前でーす。ではここで歌姫先生にありがたーい激励のお言葉をいただきます。』

耳になじみ始めた誰かの声。機械混じりのこれは、五条先生の声だ。私はゆっくりと頭を持ち上げた。

『はぁ!?え…えーっと、あー…ある程度の怪我は仕方ないですが…。』

私は手で額を抑えた。まだ頭がクラクラする。知らない場所にいるせいで余計に頭が混乱しているんだ。

それでも指の隙間から五条先生の後ろ姿を見つけた私は、枯れた声を絞り出した。

「ご、じょ。」

『それでは姉妹校交流会。』

五条先生が息を吸う音が、マイクに拾われた。

『スタァーートォ!!!』

突然の爆音。準備ができていなかった私はもろにその攻撃を耳に受けた。キーーーン、と高音が耳につく。

「う……るさ。」

がくっと崩れ落ちそうになる上半身を腕でなんとか支えて持ち直す。

「あれ、起きたんだ〜。」

おはよう、と気の抜けた声で五条先生はソファーの背もたれに全身を預け、頭を逆さまにした状態で言った。

「……なにが、どうなっ、て?」

混乱したままの私の問いに答えてくれたのは、京都校の先生だった。

「あなた、気を失ったのよ。虎杖悠仁を見てすぐに。」

先生は気の毒そうに私を見ながら、そう言った。

耳鳴りがまだ続く脳でなんとか記憶を掘り起こす。ああ、たしかに箱から飛び出す虎杖くんの姿をみた、気がする。

あれは夢だったんじゃと思わずにはいられない。しかし先生方の前に設置されたモニターにはばっちり、虎杖くんの姿が映し出されていた。

「これ、は、げんじ、つ?」

「リアルもリアル!超リアルだよ!」

五条先生は「それにしても、君のリアクションが一番いいとは思わなかったなー。」と独り言のように呟いた。

「ま、とりあえず悠仁は死んでないってことだよ。」

先生は悪戯っ子のように、ニッカリと笑った。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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