君の幸せを願うのは。｢R｣ ページ14
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「作戦の行方にゃ花は咲く」のアナザーストーリーです。
先に前話を読むのをお勧めします！
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｢一日中レイと一緒にいたけど、何故か気付いたらノーマンの事ばっかり考えてる。やばいかな。｣
分かってる。分かってた。一日でも、半日でも、Aを独り占めしたかった。いや実際できたけど、彼女の中じゃ俺は｢いい相談相手｣で。Aがノーマンが好きだって事は変わらない。あいつらの当たり前は覆っても、俺の当たり前は覆らない。結局形だけだった。
少しだけ、期待していた自分がどこかにいたのだろうか。この期に及んで、まだ『愛してほしい』なんて今更。この少しの時間で、彼女が俺を想ってくれるきっかけにならないだろうかって。
俺はAを応援してる。でもノーマンを応援してはいない。ひどい矛盾で、でも本気でそう思ってしまっている自分に内心怒りを覚えながら、俺はずっと笑っておく。この笑顔はAに向けての笑顔なのはそりゃそうだ。でも、その笑顔は俺にとっては、ただ自分自身を追い込んでいるだけで、自分自身を殺しているだけで。
｢やばいな。」って言葉は、実際自分がこんなにも気持ち悪い人間だってことに対しての言葉でもあったりする。
なんとなく話題が尽きてきたところで、ノーマンが図書室に入ってくる。席を立って、ノーマンに場を譲る。｢すぐ戻る｣はノーマンに対して、という意味合いが大半だった。もたもたしてたらAはやらないぞって。それも彼女が既にノーマンを想ってるから、あんまり強く言えたもんじゃないけど。
─────···と貴方が好きです。ノーマン。｣
ドアを開ければ、Aの声がする。幸せそうなその笑顔に、何もかもが浄化されそうだったのは事実。でも瞬間ぎゅっと抱きしめ合う二人を見れば、『少しだけ、邪魔をしたい』という気持ちが芽生えてきてしまうものだ。意地悪な人間。
｢お熱いこと。｣
口をついて出たのは憎まれ口。顔を見合わせて笑う二人が、どうしようもなく俺の心臓を殴ってくる勢いで。それに追い打ちをかけるような彼女の｢ありがとう｣は、自身にとって限りない罪悪感を押し乗せてくるようだった。
｢おうよ。｣と軽い返事をしたら、何も無いような顔で図書室を出る。
君の幸せを願うのは、俺の幸せは俺自身の手によって潰してるってことだ。恋が、こんなにも苦しいものだったなんて、考えもしなかったのに。
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蜜柑の樹(プロフ) - ヤシの実さん» ありがとうございます！ノーマンサイド…成程、またいつか書かせて頂きますね、ご意見ありがとうございます！凄く嬉しいです。是非今後とも応援よろしくお願いします！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシの実 - 初めまして！「作戦の行方〜」と「君の幸せを〜」が大好きです！！レイサイド切なかったです、、、ノーマンサイドもお時間があれば読んでみたいな〜と思ったり(笑) 勿論！他の作品もとても素敵でした^^* 更新楽しみに待ってます！ (2019年3月19日 21時) (レス) id: ad6942667d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - moca.sararenonさん» おわああああ！めっちゃ嬉しいです！更新…はい。頑張ります！(ちょっとテストだったもので…(言い訳)) (2019年3月2日 17時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
moca.sararenon(プロフ) - とっても面白いです！！！！更新頑張ってください！すごく読みやすくて、一気に読んでしまいましたああ！更新頑張ってください！ (2019年3月1日 15時) (レス) id: 86f2d024d7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - 暁ーあかつきーさん» 早速ありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2019年2月5日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑の樹 | 作成日時：2018年8月8日 11時
