英斗総合病院。

☆ ページ25

次の日。


錦「荷物まとまった？

忘れもんない？」


「はいっ、大丈夫です！」


退院が嬉しくて、
昨日から荷物まとめて準備してたから
もうばっちり。笑


錦「もぉ〜、まだ治ってへんねんから

無理したらあかんで？

階段の登り降りとか危ないねんから

ゆっくり……」


「もうっ、わかってます(笑)」


昨日から何度も何度も
同じようなことを言われて、
錦戸先生がすっごく心配してくれてる
っていうのがわかる。


錦「心配やなぁ…(笑)

…ほな行こか。

荷物下まで持ってったるから。」


錦戸先生に荷物を持ってもらって、
松葉杖で歩き、病室から出ようとすると


村「よかったぁ、間に合ったぁ〜！」


と息を切らした村上先生が来た。


錦「信ちゃんどないしてん(笑)」


村「どないしてんって……はぁ……はぁ……

A退院やし、急いでお見送りに

来たんやんけ……。

エベ…エレベーター行ってもうたから

3階から階段できたんよ……ふぅ〜…

よっしゃ！もう大丈夫や！」


錦「……これから下行くし、

上あがってくるより

玄関で待ってたほうが

よかったんちゃうん？笑」


村「なっ…!!

俺やって必死やってんもん!!

咄嗟にそんなこと思い付かんわ!!(ベシッ」


錦「痛っ!!もう……なんなん(笑)」


錦戸先生と村上先生の漫才みたいな
やりとりを聞きながら
エレベーターで1階まで降りた。


最後の最後のまで
たくさん笑わせてもらって
本当に2人には感謝しかない…。


「……お世話になりました。

ありがとうございました……っ(ペコッ」


錦「最後まで騒がしくてごめんな(笑)

ほんまよお頑張ったで^^

退院おめでとう。

これからは外来でな！」


村「全く…騒がしいのは誰のせいやねん(笑)

A、ほんまによお頑張ったな！

リハビリキツいはずやのに

いっつも笑顔で頑張ってて…。

これからもリハビリ続くけど

一緒に頑張ってこな^^

ほんまに退院おめでとう。」


初めての骨折。

初めての入院。

初めての手術。

初めてのリハビリ。


怖いこと、痛いこと、いっぱいあったけど
思い返せば笑っていたことのほうが
多かった気がする。


先生たちの言葉を聞いて
涙が溢れそうになったけど、
最後の最後で泣いたら意味ないから。



「本当にありがとうございました…っ

これからもよろしくお願いします！^^」


錦「おん、気をつけて帰るんやで！」


村「ほな、またな！」






―end―

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