英斗総合病院。

☆ ページ23

リハビリが始まって1週間。


村上先生の付き添いがなくても
1人で安定して松葉杖で歩行できる
ようになった。


村「今日から少しずつ足首動かしてくな。

最初は痛いかもしれんけど頑張ってな？」


理学療法室でのリハビリが始まる前に
村上先生にそう言われて
一気に不安が押し寄せてきた。


手術してからずっと固定されていた足首。


治すためには動かさなきゃないって
わかってるけど、やっぱり少し怖かった。


村「痛かったら我慢せんで教えてな。

ほな始めるで〜…」


私の足を持ち上げて
自分の太ももの上に乗せると、
足首を掴んでゆっくり動かし始める。


「んんっ!!痛いっ!!」


少し動かしただけなのに
想像以上の激痛が走る。


村「痛いなぁ…。

ちょっと辛抱してや…。」


私の顔色を見ながらゆっくり少しずつ
リハビリを進めてくれるけど、
それでもあまりにも痛すぎる…。


「…………っ………(泣)」


目をぎゅっとつぶって唇を噛み、
声を抑えて必死に耐える。


村「息止めたらあかんで〜

ゆっくり深呼吸してみ？

スー……ハー……スー……ハー………」


村上先生に言われた通り深呼吸をする。


「スー……ハー…うぅ…っ………(泣)」


それでもやっぱり痛いものは痛い…。


「はぁ…はぁ………んんっ!!…ｸﾞｽｯ…(泣)」


(……こんな痛いのもうやだ………泣)


そう思うと目からは涙が溢れてきて…。


村「…今日はこの辺にしとこか。

痛かったなぁ。よお頑張った^^」


涙を指で拭いて、
ニカッて笑ってくれる村上先生。


本当はもっとリハビリする予定
だったんだろうな…。


「……ごめんなさ……っ……ﾋｯｸ…

……がんばれなくて…………(泣)」


村「何ゆうてんの(笑)

Aはもういっぱい頑張ったやん！

ゆっくり、少しずつでええんやで^^」


「んっ……ｸﾞｽｯ…………はい……(泣)」


村「ほらぁ、もう泣かんの！！

昨日までの笑顔はどこ行ったんや！笑」


そう言うと頬っぺたを両手でむにゅって
掴まれた。


「し…しぇんしぇ……いはいれす……//」


先生、痛いです…そう言いたいのに
頬っぺたを引っ張られてるせいで
言葉がうまく発音できない。


村「あっはっは(笑)

何言ってんのか全然わからん！(笑)」


頬っぺたをを掴んでいた手を離し、
爆笑してる村上先生。


村上先生の笑顔って何でこんなに
人を元気付ける力があるんだろう。


先生の笑顔につられるように
自然に私も笑顔になっていた。

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