英斗総合病院。

☆ ページ3

「あの……耳………痛いのしますか…？涙」


また痛い中耳炎の治療されるかなと
怖くなって、恐る恐る大倉先生に
聞いてみる。


大「痛いの…って

中耳炎の治療のこと？笑」


私の子供じみた質問に笑う先生。


ちょっと恥ずかしくなって
うつむいたままコクンと頷いた。


大「んふふ、大丈夫！

ちょっと中耳炎になりかけてるけど

お薬で治るからな^^

痛いことせぇへんで^^」


先生のその言葉にほっとしたけど、
次の言葉でまた身体に力が入る。


大「ほな、最後鼻水の吸引だけして

終わろか！」


「…きゅーいん……って痛いですか……？涙」


大「んー(笑)ちょっとだけな^^;

でもAちゃん、診察頑張れたし

大丈夫やと思うで？

せっかく頑張って耳鼻科来たんやから

お鼻スッキリして帰ろ？」


先生の"ちょっとだけ"って言葉を信じて
怖かったけど「はい…」と返事をした。


大「ん、偉いな^^

ほなちょっとだけ頑張ろ。

頭イスに付けて動かさんでな？」


看護師さんがまた私の頭を固定する。


すると大倉先生が
細くて長い管を持って近付いてきた。


(…え……あれ鼻に入れるの……？泣)


「ん……やだ…………こわ…い…っ(泣)」


大「大丈夫、大丈夫。

力抜いてお口で息しててなー？」


長い管が鼻に入れられ、
ズズーっと鼻水が吸いとられる。


奥までぐっと入れられると
ツーンと痛みが走って
それが何度も何度も繰り返される。


ズズー……ズズズ…


(……いや…っ……痛っ…………苦し……泣)


「ゴホッ……ゴホッ…………(泣)

……んっ……や…………痛い……っ……(泣)」


痛みから逃れたくて
顔を動かそうとすると
看護師さんの手にさらに力が入り、
優しく頬に触れていただけだった
大倉先生の手にもぐっと力が入る。


大「……よし、右側終わったで！

次左いくなぁ……ごめんなぁ……。

もう少し頑張ってや！」


右から管が抜かれたと思うと
すぐに左へ入れられ、
再びズズーと鼻水が吸いとられて
さっきと同じような痛みが走る。


ズズズー…ズッ…………


「ゴホッ……ゴホッ……ゴホッ………涙

うっ……うぇ…………も…………やぁ……(泣)」


目からはボロボロと涙が溢れて
頬に添えられている先生の手を
伝って落ちる。


大「…よし、終わり！」


そう言って鼻から管を抜かれたときには
泣きすぎてもうグッタリだった。

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あずきいろ

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