英斗総合病院。

☆ ページ18

「あの……私どうなるんですか……？」


錦「んー…

ちょっとな、複雑な折れ方してて、

手で整復するの難しいねん…。

……急やけど、この後オペしよか。」


(……え？！手術…？！)


錦戸先生の衝撃的な言葉に
何も言えなくなって、
泣きたくないのに
自分の意思とは関係なく
目には涙が溜まっていく。


錦「えっ、ちょっ、泣かんといて？！

あれやで！！手術っていっても

ほんと小さいやつやし！！

傷跡もほとんど残らんから大丈夫やで？」


「………でも………………怖い…………(泣)」


こんなワガママ言ったら
先生を困らせるって分かってるけど、
手術なんて怖いよ…(泣)


錦「突然手術なんて言われたら怖いよなぁ;;

でも大丈夫やで^^

麻酔したあと眠くなるお薬入れたげるな。

寝てる間に全部終わってまうから

痛いこと何もないで？

手術してリハビリ頑張ったら

今まで通り歩いたり走ったり

できるようになるから頑張ろ？」


錦戸先生が頭を撫でながら
優しくそう言うから
思わず頷いてしまった。



それからあれよあれよという間に
手術の準備が進められ、
気付けば手術台に横になってる状態。


身体中いろんな管を付けられて
目の前にはドラマでよく見る丸いライト。


その全てが恐怖心を増加させる。



錦「Aちゃん。」


聞き覚えのある声がして目を開けると
スクラブを着て、マスクとキャップで
顔が半分以上隠れてしまっている
錦戸先生の姿。


「ﾋﾞｸｯ)……やだっ…………怖い…………(泣)」


その姿がとても怖く見えて…。


錦「Aちゃん。俺やで？

大丈夫やから。落ち着き。」


手をぎゅっと握って優しく話しかけて
くれる錦戸先生の声で
ようやく少し落ち着きを取り戻した。


「…ｸﾞｽｯ………錦戸……せんせ…………(泣)」


錦「おん。大丈夫やって(笑)

俺がついてる。

手術なんてすぐ終わらせたるからな。」


錦戸先生が目を見て力強く
そう言ってくれるから
先生を信じようと思って頷いた。


錦「まず麻酔するな。

ここだけちょっと痛いけど頑張って？」


横向きになって背中を丸めると
腰椎麻酔っていう腰のところに
注射をされてすごく痛くて
また泣いてしまった。


錦「よしよし。頑張ったな^^

今から眠たくなるお薬入れるな。

我慢せんで寝ちゃってええで…」


先生が点滴の管から薬を入れると
すぐに眠たくなってきて
錦戸先生の言葉を聞きながら
あっという間に意識を手放した。

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あずきいろ

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