英斗総合病院。

☆ ページ14

あなたside




がんばるって言っちゃったけど
本当はやっぱり入院やだなぁ…。


さっき診察室で先生が章ちゃんに
採血とか点滴とか言ってるの
聞いちゃったし…。


病室に入るとすぐに
章ちゃんが吸入の機械を持ってきた。


安「…何回もしてるからわかるよな？

お薬モクモク出てくるから

なるべくゆっくり吸ってや？」


そう言ってスイッチを入れると、
霧状のお薬が白い煙みたいに
モクモク出てくる。


「ん……。

ヒュー……ゴホッゴホッ……ヒュー…」


小さい頃から
数えきれないくらいやった吸入。


痛くないけどあまり好きじゃない…。


章ちゃんもそれをわかってるから
ずっと背中を擦ってくれて
一緒に合わせて呼吸をしてくれてる。


吸入が終わると
血圧やサチュレーション、熱なんかを
はかられて、
SPO2が低いからということで
鼻に酸素をつけられた。


安「……次ちょっと採血頑張ろか。笑」


「……ゴホッ…ゴホッ………やだぁ……(泣)」


安「いつも何だかんだ言って

お利口に頑張れるやん(笑)

ちょっとチクッてするだけやで？」


「………ん…………っ…(泣)」


怖かったけど恐る恐る
腕を章ちゃんに差し出した。


安「……偉いなぁ^^

今日のAちゃんは

ほんまに頑張りやさんやねぇ。

ほな針さすから動かんでな〜…」


ぎゅって目をつぶって針から顔を背ける。


チクッ


「んんっ……(泣)いたぁ…っ………(泣)」


安「ごめんなぁ…もう少しやで……

よし、終わりっ！」


「…ｸﾞｽｯ………痛かった……(泣)」


安「ごめんごめん^^;

偉かったなぁ^^よお頑張りましたっ」


ニコニコ笑って頭を撫でてくれる
章ちゃん。


痛いこともこれがあるから頑張れる
ってくらい、章ちゃんに撫でてもらうのが
大好きなんだ…。


安「……ほな、これ検査だしてくるわ。

疲れたやろ？寝てええで^^」


吸入と酸素のおかげで
だいぶ呼吸が楽になり、咳も治まった。


ベッドに横になると
章ちゃんが布団をかけてくれて
その上から優しくとん、とん、と
お腹の辺りを叩いてくれる。


小さい時もよくそうやって
寝かしつけてもらったなぁなんて
懐かしい感覚に陥り、
そのまま眠ってしまった。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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