22話 * ページ23
私の渾身の猫の鳴き真似に、羞恥心がじわじわと込み上げてくる。でもそんなことよりもバレたかもという焦りが勝ってしまう。
「今のなんだ佐伯」
「い、いやぁ気の所為じゃないですかね」
「この人数が聞いていてどう誤魔化すんだよ」
「えっと、私の鳴き真似です」
「....本当のこと言え」
「.....しょうがなかったんです!だから許してください!」
「何があったんだ?」
クラスみんなの視線を集めながら、先生との攻防戦始まる。相澤先生勝てるわけがなくて、早くも負けそう。
その瞬間、机の上に子猫が現れる。いつの間にかカバンから抜け出して、机に登ってきたのだ。
「......終わった」
「はぁ、後でソイツ連れて一緒に来い」
「わかりました......」
__________
「で?なんで猫を連れてきたんだ?」
「えっと、この子猫昨日怪我をしているところ見つけて、家に連れていったんです。それで、家を出る時に見当たらないと思ったら、カバンに入っていることを気づかず、この状況です.....」
先生に仮眠室に連れてこられて、今現在。死を覚悟してここに来たのに、先生はあまり怒っているようには見えない。
というか、子猫とじゃれ合ってるし。少し微笑みながら、机の上にいる子猫と遊んでいる。相澤先生のこんなに優しい微笑みは見たことないので面食らう。いけめんだ、絵になる。
.......あれ?
「コイツはお前が飼うのか?」
「いえ、父がアレルギーで飼えないので一時的に家にいるって感じです。引き取り先を探してるんですけど、」
「そうか、誰かに声掛けたのか?」
「まだです。私も焦凍も飼えないので、誰か早く探さなきゃなんですけど」
「俺もほかの先生や知り合いに聞いといてやるよ」
「え!ありがとうございます、」
私は叱られに来たのに、どんどん論点がズレていく。その事に首を傾げながら、先生と話をしていると、あることがわかってきた。だって、今も尚、楽しそうに子猫と遊んでいるし。
「相澤先生って猫好き?」
「.....悪いか」
「いやいや!そんなことないですよ!私猫好き男子好きですし」
「そんなことまで聞いてねぇよ」
「じゃあ、お咎めなし!?」
「反省しろよ」
「やったー!!」
自由な校風が売りの雄英。それが吉と出て、相澤先生が猫好きだった為、今回の件は許して貰えそう。そんな理由でいいのかと思うけれど、こちらからすれば、万々歳だ。一安心。
137人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミルフィーユ - 終わりなんですか...?悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます!大変励みになります...!頑張ります! (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇`*)応援してます!! (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あるじゃん | 作成日時:2020年4月17日 0時