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17話 * ページ18

次の日。朝学校へ向かう時、空き地の横に差し掛かるとどうしてもあの子猫が気になって、足が勝手に空き地の木へ向かっていた。


木の下を覗くと、特に何も変わりない様子で、すやすや寝ている子猫。私も焦凍も、小さい頃にお世話したあのねこにこの子猫を重ねてしまうから、心配で仕方ないのだ。



「こんな無防備に寝てたら襲われちゃうよ〜ってね」

「心配だな、」

「うん....」





____________





今日の授業はあんまり集中出来なかった。それは焦凍も同じようで、頭からあの子猫のことが離れないのだ。



「焦凍、早く帰ろ!」

「!あぁ、」



あれもこれも焦凍のせいだ。ちっちゃい頃お世話したねこを思い出させるから。

もう、あんなふうにはさせたくない。見つけたからには、飼えないことが分かっていても、成長をみたい気持ちが勝ってしまう。


いつもより、気持ち早歩きで家に帰る。やっと空き地に着いた、と息をついて木の下を覗くと、子猫はあしを怪我していた。私達が来たのに気づいて、近寄ろうとしているがもがいている。



「怪我してる!私の家で手当しよ...!」

「あぁ、急ぐぞ!」





__________






「よかったぁ、もう大丈夫かな
.....めっちゃ元気だね」

「あし怪我してること忘れてんじゃねぇか?」



私の家に子猫を連れ込んで、あしの手当をしてあげる。焦凍も言ったように、あしを怪我していることを疑う程、元気に遊んでいる。



「この子、貰い手が見つかるまでウチで飼ってあげようかな....」

「そうした方がいいかもな。俺も手伝うぞ」

「ありがとう。でも、そう簡単に貰い手見つかるかなぁ〜」

「クラスのヤツとかにも聞いてみるか」

「だね。
私夜ご飯の準備するから、見ててね」

「あぁ。俺も食べてっていいか?」

「いいけど、冬美さんに伝えなよ」

「おう」



夕飯の準備に取り掛かる。料理しているときも、キッチンから様子を伺うと、仲良く遊んでいる。子猫とじゃれて笑う焦凍を見て、頭に小さい頃の焦凍とあのねこが浮かぶ。

その姿は昔とそっくりで、つい頬が緩んでしまう。


焦凍と子猫のかわいさに、料理なんか忘れてカメラのシャッターが止まらなかった。

よし、待ち受けにしよ。

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ミルフィーユ - 終わりなんですか...?悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます!大変励みになります...!頑張ります! (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇`*)応援してます!! (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるじゃん | 作成日時:2020年4月17日 0時

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