リスタート ページ9
．
「まあ、つまりさ？仲直りしようってことよ！」
『ちょっと黙って』
「ええ…え、てかそこぶっ刺す？普通」
結局あの後永瀬と話すことなく優太が私の隣の席に移動してきて一緒にお昼を食べることになった。
化学の教科書を──彼からのメッセージをガン見しながらたこさんウインナーを頭上から箸でぶっ刺す。
「いいじゃんいいじゃん。俺嬉しいよ2人が仲直りの路線に突っ走ってんの。保護者の気分？え、てかさ、なんかさ」
『優太』
「ん？」
『トマトジュースぶっかけるよ』
「は、はは…冗談に見えねぇよAサン」
だって冗談じゃないもの。冗談に見えるわけが無いでしょう。
それにしても、これはなんなんだろうか。
私の机にはお弁当と教科書共に35点のテストが広がっている。
先程永瀬から返ってきた教科書だけでなく、このテストにも永瀬からのメッセージが────"ばーか"とあったのだ。
くっそ…うっざい…
そしてそれに追い打ちをかけるように優太から発せられた言葉は同じ単語だった。
「にしてもAって馬鹿だったっけ？」
『…molと数学が出来ないだけだし。それ以外はできますよーだ。誰かさんと違って』
「な、おま…俺だってやる時はやるかんな？馬鹿にすんなよ？」
『え、私別に優太の事馬鹿にしてないけど』
「うっ、ぜーーー。…やっぱ廉に頼んで勉強教えてもらおっかな、」
廉…この名前に過剰に反応してしまうのは不可抗力だろう。私にはどうしようも出来ない。
あの時、何年ぶりに下の名前を呼んだだろうか。
逃げるためだったとはいえ随分と大胆な行動をしたなと我ながら感心する。
永瀬からのメッセージを見て思う。
前の、ずっとずっと前の私たちに戻れたらどれだけ楽なのだろう。お互いに変なプライドを持たずに昔のようにワイワイと育ってきてたのなら、どうなっていたのだろう。
昔を懐かしむなんてことはしたくなかった。
楽しかったなって思いたくなかった。
過去のことだと、思いたくなかった。
多分私はまだきっと永瀬との関係を信じているのだろう。こんなに冷めきっているのに、どこかできっと私は健気に信じて待っているのだろう。
だから、きっと、このメッセージが嬉しいのだ。
*
ごめん
おい無視すんな
意味がわからない
上田Aさん
俺とリスタートしませんか?
*
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
