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君に伝えたいこと ページ46






「…ほんとによかったん?」


「いいって言っとるやろ。うるさいわ。」



一昨日からずっとこの調子だ。俺の顔を見るなりAのことについて言ってくる。もういいんだって。これでいい。

Aが俺の名前を呼んで、隣で笑ってくれたんだから、それでいい。これ以上を望むなんておこがましいに決まっている。



海外に行くことが決まって、いつ帰れるかわからないと言われた。国内ならまだしも国外だ。
もしかしたらもう会えないかもしれなかった。



それを聞いた途端真っ先にAの顔が思い浮かんだ。

何を思ったのか、卒業後に親が「海外行く前に東京に引っ越すで」と言った。だからAの後を追うように東京に行って、Aの友達に聞き出した高校に急遽転勤が決まったと言って無理矢理入学した。


もう一度、会いたかった。



最初は全然話しかけられなくて、とりあえず周りからと思いあのメンツと仲良くなった。

そこにはたまたま、Aとめちゃくちゃ仲がいい優太がいた。




俺一人じゃ何も出来ないことはわかっていた。

だから、優太に警戒しつつもみんなに相談した。



Aとは幼馴染で、でも小さい時に喧嘩してそれ以来話してなくて、それでもAが好きで、海外に転校することが決まっていて。

全てを隠すことなく打ち明ければ紫耀と海人は「ヒャー」と興奮したように立ち上がり玄樹とジンは「やばくね?」と顔見合せ優太は「俺キューピットなれんじゃね!?」と嬉しそうに言った。



もしかしたらできてるんじゃないか、と思っていた俺はそんな優太の反応が嬉しかった。



まずは怪しまれないように関わりを持とうという話になった。
そこで教科書の案が出た。それはよく教科書を忘れる紫耀からの発案だった。

いいじゃん!ってなってみんなで口裏合わせてAにしか借りられない、という状況を作ることにした。



その状況を作る代わりに、この機会を上手く利用してAに急接近しろと言われた。俺は悩むことなくそれを受け入れた。




それでも話しかけるには勇気がいるから、教科書にメッセージを残すことにした。


それを聞いたあいつらは「おいー」と項垂れた。でも、それが俺の精一杯だった。玄樹が唯一、「頑張った頑張った」と言ってくれた。そう、俺は頑張ってあれだった。

余計に怪しまれた可能性はあるけど、俺はAを信じていた。きっと仲直りしてくれる、と。

君に伝えなければいけないこと→←君が言いたかったこと



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設定タグ:永瀬廉 , 岸優太 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます!!!!!!一生のお願い!笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます!afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです! (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます!最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです!楽しみにしています!! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚木 | 作成日時:2019年10月16日 22時

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