自覚 ページ28
神宮寺くんと別れて優太といつものお店に行った。
いらっしゃいとこれまた見なれた大将が私たちを見て微笑む。
優太はよう！おっさん！と言って大将の前を通っていった。
挨拶した方がいいかなと思いぺこりと会釈をする。
「Aさ、彼氏作んねぇの？」
『え、なに急に』
「いやー、そういう話全然しねぇなって。A俺とか海人とかしか一緒にいないし。あ、あと廉か。」
彼の名前にドキリと心臓が音を立てたが知らんぷりをする。優太はそんな私を察したのかニヤニヤとし始めた。
「気になっちゃってる感じ？なっちゃう感じ？」
『なーらーなーい！…と、思う』
「…まじ？」
『いや、なんか、わかんないんだよね』
「なにが」
『振り回されてるだけだってわかってんだけどさ、永瀬に言われたことずっと頭から離れないし、なんか、ちょっと、永瀬来るの楽しみにしてるし』
こんなことを優太に言うのは癪だが私には相談できる相手が優太しかいない。
こういう時の優太はめちゃくちゃ真面目になってくれるのでものすごく助かる。
海ちゃんもいいんだけどあの子は純粋に楽しんじゃいそうだからダメだ。相談事にはきっと向いていない。
「来るの楽しみって…会いたいって思ってんの？」
『…わかんない。』
「…それ、恋じゃね？」
『…え、私永瀬好きなの？』
「いや、俺もわかんねぇけど。イワゲンが言ってた」
『な、なんて？』
「ふとした時に会いたいって思ったり？あとーー、なんだっけかな、まあそんな感じ」
『いや、わかんないよ』
うーーん、と頭を捻る優太に感謝をしつつ大将が持ってきてくれた醤油ラーメンを啜る。美味しい。
「じゃあさ、もし廉がどっかの誰かさんとイチャイチャきゃっきゃしてたらどうするよ、」
『えー、わかんない』
「想像しろ想像！」
今度は私がうーーん、と頭を捻る番だった。
目の前でラーメンを啜る音を聞きながら考える。
だからあれだよね、永瀬が優しい目で女の子をリードしてる、ってことだよね。
永瀬の優しい目、優しい、目───…
「Aのことは全部覚えとる」
「大事な人」
「声、聞きたかってん」
「好きやで」
赤くなった顔を隠すようにゴン、とテーブルに突っ伏した私を優太は嬉しそうに笑って頭を撫でたのだった。
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
